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三週間
あれから眠れない夜が続いた。
キノコと連絡を取ろうとしたが、一向に応じてくれない。
味方の客集めはレンとマリナが担当してくれた。俺もすると申し出たのだが、リーダーは家でどっかりと座っていろとのことだった。
俺の三週間は、食っちゃ寝食っちゃ寝の日々だった。スベスベステューデントの新ネタを考ようとノートに向かったが、キノコの協力が無ければただの紙切れに過ぎなかった。
両親には事情を話して理解してもらっていた。
そして、あっという間に三週間が過ぎる。
当日。俺は夜を眠らずに窓から朝日を見た。
自室のドアがノックされる。
「お兄ちゃん、もう出発の時間だよ」
「ああ」
俺はベッドから立ち上がった。




