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人懐っこい彼女
ホームルーム後の空き時間、レンが険しい顔で近づいてきた。
「おい、ユザ」
「なんだ?」
レンが声量を抑えて話す。
「あいつら、もしかして」
「多分、カグヤさんの仕業だな」
「やっぱりか」
レンの眉間がひくひくと波打つ。まるでオオカミが敵を警戒しているような様子だった。
「代役で勝負をするってことか?」
「おそらくな」
「転校までしてくるのか?」
「それについてはノーコメントだ」
「大丈夫です」
キノコが両手を合わせた。
「お友達になりましょう」
「キノコ……なんでそんな発想になるんだ?」
俺は眉を寄せた。
「話して見れば、良い人かもしれません。私、行ってきますね」
彼女は立ち上がる。窓側の席へと歩いて行った。俺はため息をつく。レンも同じだった。
「なあ、レン」
「ん?」
「俺たちとヒロインズは、どっちが面白いかな」
「そりゃープロには敵わねーよな」
「うん……」
俺は顔落として机の木目を凝視した。
キノコとヒロインズ二人の話し声が聞こえる。




