違和感
教室が拍手に包まれる中、俺は首をかしげていた。
ヒロインズのパフォーマンスに、どこか違和感を覚えた。テレビで見るのとは少し違う。生の迫力はあったが拍子抜けと言った感じだ。テレビで見るオトハはもっと毒舌であり、メイはいつも眠そうな声つきである。
敬子が両手をたたきながら教壇に戻ってくる。
「いやー、凄いわね。こんな著名人が二年二組に来てくれるなんて、心強いわ」
「先生、今の何点ですか?」
オトハが右手を上げる。
「何点? うーん、満点じゃないかしら」
「よかったな。オトハ。通知表のお笑い科目は5だ」
「メイ、やったわ。私推薦で大学行けるかも」
笑い声が上がる。俺は肘の関節がかゆくなって両手を前に伸ばした。
「それじゃあオトハさん、メイさん、窓側の後ろの空いている席に座ってくれる?」
「はい」
「は~い」
二人はカバンを持って移動する。俺は目を合わせないようにそっぽを向いた。
「キノコ」
小声で話しかける。
「はい」
「今の、どう思う?」
「そうですね」
彼女が右手を顎に当てた。
「今のネタ、本気を出していません」
「やっぱりか」
俺は頭痛を覚えて額を手で押さえた。




