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キャンプファイヤー
午後五時になると体育館では発表会が終わった。生徒たちは教室での出し物を終了し、グラウンドに集まった。グラウンドの真ん中ではキャンプファイヤーが焚かれていた。もうすぐフォークダンスが始まる。
あれから俺たちは学校から姿を消していた。
何をしていたのかと言うと、準備をしていた。
スマホが鳴った。
「もしもし、お兄ちゃん?」
相手はマリナだった。
「ああ、マリナ。準備は万端か?」
「武者震いがするわ」
「震えてボタン押し間違えるなよ」
「分かってるよ」
「それじゃあ、配置につくから」
「幸運を」
「ああ」
通話を切った。俺は教室を出てグラウンドに向かう。




