一章 入部へ <1>
物凄い拍手が広がる。
笑顔の一人が講壇から降りていった。
大学で二番目に広い建物、講堂にいる。
公会堂の三倍あるのではないか。
広すぎてコンサートホールのような通路による区分けがされていた。
何故、ここにいるのか。
この大学は丁寧だ。各サークルの説明会が行われている。
次で最後だ。その時、照明がすべて落ちた。
いや、全てではない。ステージに向かってスポットライトの光が延びている。
「サバゲーサークルの紹介です。」
明るい声と同時にスポットライトの中央に一人の男が出てきた。
「皆、サバゲーを知っているか!!!」
いきなりの問いかけに会場は一気に盛り上がる。
「サバゲーの大会名を言ったってわかりゃしない!なら、見せてしまえ!!」
会場は冷める気配がしない。
「左の階段にご注目!スナイパーが二人配置されている。的はこの2つの空き缶だ。」
ここまで来ると、彼の独壇場だろう。
「撃ち方、始め!!」
軽いモーター音が聞こえた。黄緑の線が二本、空中に伸びる。その線はそれそれ空き缶に吸い込まれるうに伸びていき。
軽い金属音とともに空き缶を弾き飛ばした。空き缶は階段の反対側へ二メートル位飛ばされていた
「次にステージ奥にご注目。我がチームの優秀なアタッカー三人が配置されている!」
奥から、ライフル、サブマシンガン、ハンドガンだろう。
「的はこの専用の的を使う。的までは40メートルだ。三番より射撃用意、撃て!」
リズミカルなモーターの音が聞こえた。その音と共に同じく黄緑の線が伸びる。
その線は真っ直ぐ伸び50メートル位先の的の中心を射抜いていた。
はっと、全ての的を確認すると、全て中心が穴だらけだった。
「さあ、これまでで興味をもってくれたやつはいるか?俺たちは数々の大会で優勝をかっさらってきた。
だが、全国の優勝を取ることは出来ていない。体力や腕に自信があるやつを待っている。
勿論、女子もメンバーの中にいるぞ。最初のうちはすべて貸し出す。
後から、大会での賞金などから自分用の物を揃えられる。初心者大歓迎だ!
入部、待っているぞ!以上だ。」
そうして彼は、ステージから奥に居なくなった。
まだまだ続きますが、次の話まで一ヶ月ほど開くかもしれません。
楽しみにお待ち下さいませ。
追記―――半年は間隔が開くと思います。