見てないです ③
言われたとおりに本屋に来ていた。
雑誌コーナーはグラビア誌だったり料理本車にゲームに衣類だったりで賑わう中ポツンとその雑誌は置かれていた。
今のご時勢漫画と呼ばれる代物は希少価値が高く、漫画家になるだけで億万長者らしい。
出版社に在籍していたのが男が多かったもあるだろう。
別に少年誌だけが死んだだけで少女マンガは一応健在だが、雑誌が一つ出てるだけで、世の女の子の中ではある意味ステータスみたいになってるらしい。
アニメなんて今じゃ3DCGしかやってないからな。
さてさて、気まずい中俺はレジに向かう途中、犬の表紙の写真集? を生徒会長様が手にとって見つめていた。
意外だ、とは思わない、この手のキャラはクールだが可愛いものが好きのギャップ萌えが多かった時期がある。お陰で俺は体性がついているため特に驚く事はなかった。
見られる前に逃げなくては。
早足で後ろを通り過ぎた瞬間に生徒会長は手に持っていた写真集を買うらしくレジの方に向いたらしい。
なにかが落ちる音が聞こえると俺は振り返ってしまった。
生徒会長が手に持っていた写真集を落としてしまったらしい。
しかも耳まで顔を赤くしていた。
「み、見なかったことにして」
そういうと写真集を元の場所に戻して走り去ってしまった。
今日は二回も見てはいけないものを見たらしい。