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桜の小さな伝説とツインテ少女

 眠い目をこすりながら今日も桜並木の通学路を通る。今ではすこしだけ噂になっているのだ一番端の桜で告白するといい結果が訪れると。皮肉にも洲崎の後に別の生徒が告白した結果立て続けに成就してしまいその桜は恋桜とまで呼ばれるようになったのは桜が散って雪が降るような寒い季節になってからだった。

 その結果なのか一ヶ月に一回はその桜の下で思いを伝えるのだが一つだけ洲崎の功績だけが悪い意味で残る事になった。

 桜の咲く季節にだけは思いを届けても実る事は無いというもの。

 新聞部は桜はいままで叶えた恋を蓄える事によって咲くため桜が咲いてしまう間は花が散ってしまいその恋は実る事が無いと入学式の昨日に発行された新聞に載っていたと朝早くから周りの生徒が喋っているので聞きたくなくても聞いてしまう。


 でも逆に捉えるんだ俺が昨日の岸辺さんに告白でもすればジンクス道理になるということ。とどのつまり俺は結婚を先延ばしできるという事だ。

 よしそれなら今すぐにでもフラグをへしおるのが一番。


 「――おいそこの底辺野郎」


 それなら今すぐにでも取り掛かるべきである、あの時の行動力の無さと不甲斐なさを今すぐにでも払拭するべく俺は立ち上がらなくてはいけないのだから。


 誰にも見られぬよう拳を作ると尻を蹴られた。蹴られた?


 「無視するなクソが」


 後ろを振り向くと金髪ツインテールの少女が立っている。勿論うちの制服を着ている。

 仁王立ちで俺をゴミのように見る目に俺は今すぐにでも吐きそうになると同時に脅迫概念にとらわれそうになる。あの目は以前向けられていた嫌な視線だ。


 「いいか覚えとけよ私の親友をお前なんかに渡さないんだからな」


 親友……一年生に絡まれるのは彼女ぐらいしか思い浮かばないので彼女の友達なのだろう。だが真逆性格でなぜ友人になれたのか疑問もあるが彼女をうまく使えば俺の人生もよくなるのではないか。


 「ちょっと響ちゃんまってよ」


 息を切らしながら後ろから岸辺が走ってくる。いまにでも倒れそうなほどフラフラの状態で目の前で立ち止まると膝に手を置き息を整える。

 顔を見上げ響と呼ばれたツンデレっ子(仮)に一言言おうと顔を上げた瞬間目の前に俺がいたせいか、顔が固まりすぐに顔を赤くして先ほどとは打って変わってすばやく校舎のほうに走って行った。

 なんだろう昨日とはまったく違う。


 「いいな覚えておけよ」


 捨て台詞をはいて響と呼ばれた子は後を追っていく。


 周りの生徒からの視線が痛い。目立つのはだから嫌なんだ。

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