来ましたよ?!
今日は入学式が行われていた。
今年は男の入学者はいなかった。むしろ男がこの学園に来るほうがおかしいといった方がいいのかもしれないが、なんと入試において定員割れしたらしくその後の二次募集に百名弱受けに来たらしい。洲崎は今日も生徒会長で大忙しらしい。
休日だからなにもしなくていいわけじゃない、ここ最近毎日謎のメッセージが届いているのだ。スパムかなにかだと思っているのだが毎日飽きずに送ってくる業者に逆に褒めたいとすら思い始めている。
別に休日の過ごし方がそれだけじゃない今日も積みゲー消化の日々に明け暮れているのだ、画面の中にいる女の子達はみんな可愛いのだ、そして全てが付き合いハッピーエンドを迎える素晴らしい世界の数々に俺は毎日明け暮れているのだがここ半年で積みゲーの数も残り三本になってしまうほどだった。
この感じ懐かしいな……一年前を思い出しながらなんともいえない行き場の無くなった悲しさだけが残る。
俺も後何年生きられるか分からないのにこのままでいいのか心配になってくる。
「――あにきお客さんがきてる」
いきなり扉が開いては威勢のいい声で妹が立っていた。
「俺に? 今日は面談もなにも予定は無いが誰だ?」
「分からない、でも綺麗な人だったよ」
女……当たり前かむしろ男だと大地ぐらいしかいないしでもわざわざ俺に会いにくる様な人なんて俺の友人にはいない筈なんだが急いで着替えて大きな足音を立てて階段を駆け下りると全身真っ白な女の子が立っていた。
「やっと逢えました、私岸辺命です」
俺の手をとり念願の人だとでも言いたげだが俺にこんな知り合いがいなければ命を助けるも助けられたもすべて終わりかけているのだが一体誰なのだろうか。
「あ……すいませんもしかして覚えてないですか」
「ごめん、まったく」
「私はあなたの結婚相手のひとりです」
ん? よく見ればこれギャルゲーのキャラの私服で着てた奴に似ているな、なんだろうか思い出せそうな気もする。
「赤祢さんとなら私のヲタク趣味を絶対理解してくれるいい人だと思うんです」
あぁそうだ魔法少女のコスプレ写真がお見合い写真に使われてるあの子だが、なぜ今ここに?
「今日から同じ学園に入学したので明日驚く顔でもしてもらおうと思ったのですが、気持ちを抑えられなくて来てしまいました」
彼女はとても笑顔だ。まぶしいぐらいのとてもとてもかわいらしい笑顔だった。




