それが愛ならば ①
既に三日が経過しているが何一つ不自由な点は無くむしろ勉強がよりいっそう嫌いになり始めていたがそんなときに俺は思わぬ出会いをしてしまったのだから幸か不幸か考えながらもその人の行動に身を任せて適当に午後を過ごそうとしていた。
「本当に平気なの?」
「普段のあなたからそんな事言われるとは以外かもです」
そう目の前にいるのは現れては何かしら問題を起こす上級生の先輩? だった。お昼に何となくうろうろしたら無理やり後ろを掴まれては空き教室に連行されて今現在に至るわけなんだが何をするわけでもなく先輩は椅子を並べては横になってしまった男の俺がいるのにも関わらずスカートなんぞお構い無しに寝転がるから見ようと思えば絶対領域から先の未知の領域が見えてしまいそうになっていた。
「別に見られても男だったらなんとも思わないよ」
「やっぱり先輩は女の方が好きなんですか?」
「……そうだね」
妙な間があったのはなぜなのだろうか。普段からからかっているだけで本当はさびしさを紛らわせたいとかで女の子とあんな事しているだけで心のそこからはすきでもなんでもないなんてベタな設定なのかと期待してみるも先輩の雰囲気から察するにそういうわけでもないらしいがこのご時勢に同性愛なんて罪に問われてもおかしくないレベルだ、無論男同士など死刑確定かもしれないそれほどまでに同性愛者には不自由な世界だ、もしも先輩がここで即答したならば警察のお世話になるかもしれないわけで重大な事を俺に言ってくれる事自体もしかしたら信頼されているのかもしれないが、信頼される理由など何一つ無い時点でこの人はどこまでが本気でどこまでが嘘なのか分からない。
おもむろに上体を起こしては胸ポケットからタバコを取り出しスカートのポケットからはライターを取り出した。
なぜだろうか今までの俺だったら見て見ぬ振りをするはずだったのに先輩からタバコとライターを取り上げては怒りの感情を表にしていた。
「先輩がどんな人なのかよく知りませんが高校生のうちはこれはやめましょうよ」
「君も美羽たちとやっぱり同じなんだね……」
「同じかどうか知りませんよもっと体を大事にしてください」
タバコなんて今の時代嗜好品になってセレブがたしなむ程度だから年齢制限の無くなったこの時代に買う人間なんて限られている、そのせいかこの町でタバコを吸う人なんて一人いるかいないかぐらいで禁煙率というのは大幅に低下していた。
タバコの害など今時習うわけも無くたまたまネットで見た知識があったせいかそれとも……いいややめよう今のは俺の個人的な恨みでタバコを吸う人間にはなにも。
「急にごめんなさいどなって」
「そんなに萎れるなよありがとな」
髪の毛をくしゃくしゃにされたがそれでもすこしだけよかった気がした。なぜよかったと感じたのか俺にもわからないけどなんとなくそう思った。
すごくお久しぶりです。
毎度毎度遅くなって申し訳ありません。
今後は少々重たい話になっていくかもしれません。
いつも通り不定期になりますがなるべく終わらせられるよう進めるようにがんばります




