私が副会長で美兎の親友なんだから!
突然ですが自己紹介します、私の名前は九丈朱莉と申します。美兎会長とは生まれた時間ですら殆ど一緒でこの高校に入学するまで一緒じゃない時間が少なかったといっても過言じゃありません。
彼女に出来ない事はないと誰かが語るのであれば誰しもが彼女を天才と謳うだろう。それに彼女はやさしい、模範にすべき先輩であり美兎に告白する同姓は数多い、こんな時代でなくとも私も惚れてしまっているだろう。彼女には将来結婚する相手がいるらしい、どんな奴なのか中学が入ってすぐに聞いたが写真でしか見たことが無くどんな人なのかは分からない、ただカッコいいと顔を赤らめながら言われたのならきっと彼女の好みだったのだろうと私も友人である以上その結婚相手を見てみたいと思ってしまった。
そうコレは好機なのです、私の前に、アレレ、美兎の隣にその噂の男がいるのですがなぜでしょう新入生で一番名前を知らない人はいない有名人の洲崎光さんがいるではありませんか。
生徒会メンバーが私の後ろから教室に入る中私だけが教室の手前で立ち止まっていた。
そんな私を見かねて美兎が声をかけてきたのだ。
「どうした朱莉早く入らないと始められないぞ」
対称に並べられた机には既に役員全員が向かいあわせで座っており、美兎と男と光さんだけが立っていた。どうやら私が最後の一人のようです、すぐに教室の中に入り副会長というプレートが立てられた机まで向かいイスに座る。
「全員そろったという事で、今年の一年はとりあえずこの二人が補助で参加する事になった、先生はあと一名探してるらしいからその時もよろしく」
美兎はこの手の仕事は慣れているし彼女に出来ない事など或はずが無いのです。
「それでは二人に自己紹介を」
招かれて二人が前に出る。
「早坂赤祢です、こういう仕事は初めてなのであんまり使えないと思いますがよろしくお願いします」
やはりあの噂は本当だったのですね、まさか神聖な生徒会にまでプライベートを侵食させるとは恐るべし男、恐ろしすぎます。
続いて隣の光さんが自己紹介を始めた。
「洲崎光といいます一応中学では書記をやってましたよろしくお願いします」
なんと、ん? そもそも私も彼女とは面識があるしむしろ役員にいたのは知っているがいざこう面と向かうと何をしてたか覚えていない、どうやら私は美兎の事ばかり見ていたらしい、私も人のことが言えないな。
「さてさて今日は顔合わせという事で現役員紹介をしようか」
書記、会計の二人の紹介が終わり私の番がやって来た。
私は立ち上がり……口を開いた。
「三年の副会長、九丈朱莉と申します、美兎とは生まれた時から親友の仲です美兎のことならなんでも聞いてね」
やってしまった、なにアピールしてるんだ私。
二人も苦笑いしてるし。
「そんな訳で個性も強い四人で今年は運営していく、君達も私達から何かを学べるようがんばってくれ」
美兎の光ちゃんとは少しばかり親密になれたみたいだし私が出る幕も無いんだろうな――と私は思いたいな。
気分転換にキャラクターを変えて生徒会のワンシーンを書いてみました。
次回は多分赤祢に戻ります。
更新は来週から一時休止で三月初週までお休みさせてもらいます。




