気まずい空気
とにかく気まずかった。
クラスが一緒のため必ず顔を合わせてしまう。
これはきっとアレだ、彼氏彼女の関係になったけど同じクラスでそのまま分かれて気まずいみたいなそんな感じなんだきっと。
今日一日どう過ごそうか考えていると担任が教卓にたっていた。
いつも通り出席を済ませると今日はなにも無いみたいでそれだけで終わった。
何も無いってのはいい事じゃないか。
だから俺は机に突っ伏して寝るだけ、そんだけで今日一日何も考えずに済むんだ。
そうこうしている間に放課後になる。
我ながら自分の睡眠時間というのは恐ろしいものだと思う。
昨日は2時過ぎに寝たためあんまり寝てないとはいえ少なからず今日は23時~2時辺りで睡魔が襲ってくるに違いない。
溜息が出る。
今日も太陽が沈もうとしていた。
今日は帰ろう、何も考えずに。
廊下に出た瞬間誰かとぶつかってしまった。
後ろに少しだけのけぞったがぶつかった子はそのまま尻餅をついてしまった。そのせいか手に持っていたとみられるプリントが散乱してしまった。
「――すいません」と言って俺は慌ててプリントを拾い上げる。
「私こそごめん」
二人でプリントを拾ったお陰で分厚いプリントたちはあっという間にぶつかったこの手元に束ねられた。
そもそもなんでこんなプリントをこの時間に?
「アレ? よくみたら赤祢くんじゃない」
顔をよく見たら生徒会長だった。
生徒会長? あぁ生徒会長さんね。
「どうも」と言って頭を下げる。
「それじゃぁ」
俺は慌ててその場を後にする。
なんだか複雑な気分になる。
溜息ばかり出て仕方がなかった。




