BADタイミング
いつもよりも30分早く目覚めていた。
修学旅行ですらこんなに早く目覚めたことなどなかった。
心臓は――早くはないが妙に耳まで響くようだ。
俺に今できることなんてない、クソ、何も知らずになんて都合のいい事なんて何一つなかった。
注意力が足りなかった。
仕方がないのだ。
だから俺は制服に腕を通し学校に向かった。
朝食を食べなかった。
お陰で妹にお化けでも見るような顔をされた。
はぁ~
溜息ばかりが出ている。
家から学校まではバスで40分ほど移動し5分歩いた所で坂を上り桜並木を進んで校舎に入る。
そうこうしている間に学校に到着した。
ひどい顔をしているんだろう家から出たときから視線を感じる。
昨日はあんまり休めなかったからな。
「――すごい顔してるけどだいじょうぶ?」
洲崎だった。
なぜ会いたくない人物がこうして目の前にやってくるのだろうか。
神はいたずら好きだと相場が決まってでもいるのだろうか。
「話があるんだ、放課後あけておいてくれ」
そういって俺はその場をなんとかごまかせたのか分からないが後にした。
結局クラスも一緒だから意味も無いんだがな。




