ぐったり
「やっぱり男というのはどうしようもない生き物なんですね」
まるで汚物でも――いや完全に人として俺を見ていない、さげすむような目で俺を見下しそして俺は土下座をしていた。
「もういいですよ、あなたは最低な男なんですから」
そっぽを向くと洲崎は光の先に一定の速度を保って歩いて行ってしまう。
右手でなんとか食い止めようと精一杯手を伸ばすが地球から見える星のようなそんな感覚だった。
黒い影が俺を覆うと今度は生徒会長が体を絡ませ、生徒会長の口は右の耳の近くになぜか近づいていた。
「最低ですねまさか私を利用して女の子と近づくだなんて」
「死んだほうがマシなんじゃないですか」
生徒会長も洲崎と同じ目をしていた。
震えていた。生徒会長に抱かれたまま恐怖だけが全身を包み込もうとしている。
「あなたに居場所なんてないんですよ」
―――---・・・・・・
目覚めた最初の記憶はトイレで吐いていた。
クソ、小学3年の時のトラウマが今になって再び目を覚ますなんて思いもしなかった。
アレは、仕方がない、俺が唯一の男だった。
今でも鮮明に思い出すイジメられた一年が脳裏をよぎるともう一度便所と仲良くしていた。
落ち着いたのは一時間ぐらい過ぎてからだった。
二次元がいかにすばらしいか俺だけが知っている。回りの女連中には分かりもしない世界だ。
洗面所に向かい口を綺麗にゆすぎ顔を洗う。
鏡で数分自分の顔を見つめる。
別にブサイクでもなければイケメンでもないと思う。
いや、むしろこの世界でブサイクの男がいないことが気になる。二次元の世界だったり過去の日本などではイケメンなんていうカテゴリは三分の一でその他がイケメンとは違う奴らに分けられていた。
フツメンだったりイケメンだけがこの世界で生きている。
事実隣町の友人である大地は皆が認めるイケメンで、モテモテだった。
世の男の事をまったく知らないからこういえるのだろうが。まぁいいか。
とにかく今日は休んで忘れよう。
もしどうにかなるならその時にどうにかするしかない。
俺にはどうする事もできない、最善を尽くすしかない。