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異世界で気の向くままに冒険を  作者: 黒石
プロローグ
2/33

第2話 召喚ではなく転生することにしました

「え・・・私異世界召喚に巻き込まれたんですか?全く覚えてないのですが」

「それはそうだよだって君はヘッドホンをはめて寝てたから、周りの騒ぎ声なんて全く聞こえずに寝続けてたからね。後敬語はやめていいよ」


黒斗は少し悩んでから気になっていることについて質問した。


「あ、うん・・・それじゃあ敬語はやめるけどなんで俺は異世界に召喚されてないの」

「それはね、僕から君に提案があるからなんだ」


黒斗は再度首を傾げることになった。


「提案って何?」

「君は勇者になりたいかい?」


神様の発言に全力で首を左右に振って断ろうとした。


「そうだよね、だからそんな君にこれからのことについて話そうと思ってここに呼んだんだ」

「なんで俺だけなんだ。俺が異世界召喚に巻き込まれたのなら他にも異世界に行く奴がいるんじゃないのか?」


神様は嫌そうな顔をしながら頷いた。


「そうだよ、だいたい君の学校のほとんど全ての人が巻き込まれたんじゃないのかな」

「じゃあなんで俺だけなんだ?」

「さっきも言ったとおり僕は君のことを見守ってきたんだ。正直言って君に害しか与えないような奴らに慈悲なんて与えたくないんだよ」


黒斗は高校生になってからの数ヶ月間を思い出していた。


「害なんてなかったと思うんだけど?」

「君が気にしてないだけだからねそれ。普通に考えて、教科書捨てられたり、机の上に花瓶置かれたり、机にゴミ入れられたり、暴力振るわれたり、先生のくせに何もしなかったりするのは虐めだからね。

結構な虐めだよあれ、訴えたらかんたに勝てるレベルだからね。」

「あんなの虐めじゃないよ、ただ馬鹿な奴がバカやってるだけだよ」


神様は頭を抱えながら机に突っ伏した


「・・・まぁきみがそう言うならいいけどさ。

とりあえずこれからのことについて話そう。とりあえず選択肢は四つある。

一つ目は他の人と同じように勇者になる。

二つ目は元の世界で今までのように暮らす。

三つ目は元の世界で新しい人生を迎える。

四つ目は僕の世界で新しい人生を迎える。

僕のオススメは三か四だよ」

「神様の世界はどんな感じの世界なんだ?」

「うん?それはね、文化はだいたい中世ヨーロッパレベルのエルフやらドワーフ、それに魔物なんかがいる剣と魔法の世界だよ」

「テンプレだな」

「テンプレだね」


黒斗は碌に考えもせずあっさりとどれにするか決めた。


「やっぱり四番かな、勇者なんて面倒くさそうだし、魔物がいるなら冒険者だってあるだろうからさ、そっちの方が自由に行動できそうだしね」

「うんわかった。とりあえず君には向こうでも苦労しないように所謂チートと呼ばれるものををあげるよ」


黒斗は目を輝かせながら、小学校に上がってからは数回しかしたことがない満面の笑みで神様のことを見た


「ありがとう神様。やっぱり俺も男だからさ異世界とか魔法とかすごく興味あるんだよ。確かにいろんな本を読んで物理とか科学とか数学なんかは覚えたけど、魔法なんてなかったからさ、どうせなら覚えたいし、使いたい。それに、せっかく異世界に行ってもすぐに死んだら勿体無いじゃないか」


黒斗は幼い時から小学校低学年まで家にいても暴力を振るわれるだけだった。それに学校にもあまり行かせてもらえなかったから、学校にいる時間以外のほとんどの時間を市の図書館で過ごすようにしていた。それに学校にいる時でさえ、だれとも話さず本を読み、昼休みなると学校の図書館に行くようにしていた。

黒斗は知らなかったが、司書の人や学校の人は彼のことを「図書館の主」と読んでいた。


「まあ、いくら君が自分は男だって言っても君の姿を見て男だと理解する人は少ないんじゃないかな。見た目なんて女の子にしか見えないし、異世界に憧れるよりお花とかを愛でてた方が見た目にはあってると思うよ」」


神様の発言を聞くと黒斗はさっきまでの笑顔が嘘だったかのように暗い顔になった。


「いや・・・俺だって自分は女みたい見えるってことはわかってるよ。それでも中学校からは体を鍛えたし、少しは男っぽくなったと思ってるんだよこれでも。それにいくら女みたい見えても俺は男だしさ異世界に憧れてるんだよ」


実際黒斗の体は150センチもなく、童顔で女顔であり、体を鍛えたといっても筋肉はほとんど見えないのでやはり女にしか見えなかった。


「ごめんね、まあとりあえず君のステータスを見てから、どんなスキルをあげるか決めようか」


神様がそう言うと机の上に半透明の長方形の何かが浮かんでいた。


--------------------

名前 クロト・カミヤ

種族 人間

年齢 16歳


LV 1

HP 50

MP 20

力 48

体力 53

敏捷 68

魔力 5

知力 287

運 -28


スキル

剣術LV6 槍術LV6 棒術LV6 短剣術LV6 刀術LV7 斧術LV6 投擲LV6 体術LV7 魔纏技LV1 気配探知LV7 気配遮断LV7 潜伏LV4 速読LV9 罠LV4 不眠LV8 家事LV10 状態異常耐性LV8 忍び足LV4 魔力作製LV1


固有スキル

真理の魔眼LV1 吸収LV1(不成立)


加護

創造神の加護(不成立) 美の神の加護(不成立) 戦いの神の加護(不成立) 作製の神の加護(不成立) 獣の神の加護(不成立) 死神の加護(不成立)


称号

神々の愛子 心壊れた者 勇者を捨てた者


------------------ーー


「これは・・・凄まじいね。普通こんなのあり得ないよ」


黒斗は基準がわからなかったので首を傾げることしかできなかった。


「何がそんなにすごいんだ?」

「それはね、普通君たちの世界の人なら魔力は0のはずなんだよ。だからこれはすごくおかしなことなんだ、本来君たちの世界には魔力使うすべもなければ、回復するための空気中に漂う魔力すら無いから、魔力の数値は上がらないんだよ。だから魔力に伴って上がるはずのMPもそんなに上がらないはずなんだ」

「そうは言っても魔力はたったの5だしMPは20だぞ。そんなに驚くことはないんじゃないのか?」

「たったのって、本来そっちの世界だったら、10億人に一人の才能を持った人が人生の全てをかけてやっと1上がるどうかってレベルなんだよ」


そう言われて黒斗はやっと自分の異常性に気がついた。


「それに他のステータスもおかしい」

「まだあるのか」

「まだあるのかってありすぎて困るレベルだよこれは。

普通LV1だったらステータスは平均5のはずなんだよ。それがなにほぼ50近くって!ありえないよこんなの。

それに知力に至っては200超えてるしこんなの賢者レベルだよ

それに運がマイナスってなになんで君その状態で生きてこれたのさ」

「いや・・・賢者って言われてもわからないし 。運についてはどうしようもないと思うんだよ」

「あ・・・そっか・・・まあとにかく異常なんだよ。

それとスキルのLVがおかしいだよ」

「まだ続くのかこれ」

「あたりまえだよ、と言いたいとこだけど少し休憩しよっか。


そう言うと神はリビングの方に行きお茶とおはぎを用意してくれた。これは黒斗のこうぶつでだった。


「食べながらでいいからこれを見てくれないかな」


そう言うとまた机の上に半透明な長方形の何かが出てきた


------------------ーー

スキル

LV1 素人

LV2 初心者

LV3 見習い

LV4 中級者

LV5 上級者

LV6 達人

LV7 天才

LV8 異常者

LV9 化け物

LV10 神


------------------ーー


「これでどれぐらいすごいかわかったかな?」


黒斗はただただ頷くしかできなかった。しかし、それと同時に黒斗は中学校の3年間だけで黒斗の戦闘技術をここまであげた師匠に対する尊敬も一気に増えた


「それに君は今から異世界に行くわけだからステータスが一気に上がるはずなんだよ。だいたい五倍ぐらい。

異世界召喚の魔法は能力を上げる効果があるみたいでさ、途中でやめたとしてもその効果が適用されて能力が上がるみたいなんだよね。

人間の力を甘く見てたよ」

「じゃあ俺はさらに異常なことになるのか?」


神はただ頷いていた


「まぁちょうどいいじゃないか。君は気付いてなかった見たいだけど、君にとって大切な友達も同じ学校入学していたんだよ。まあその結果君の大切な人たちも召喚に巻き込まれたみたいなんだけどね」

「え・・・だれが召喚に巻き込まれたんだ?」

「君の幸せだった孤児院時代の同級生の2人と、こっちは知ってると思うけど君が通ってる高校の理事長に引き取られた現保健の先生とかかな」

「美冬姉も巻き込まれたのか!」

「きみの学校のほぼ全ての人が巻き込まれたわけだから当然彼女も巻き込まれたわけだ。 ところで後2人についてはいいのかい?」

「よくなねよ。けど俺に一体どうしろって言うんだよ」


黒斗は机に手を叩きつけて叫ぶように言った。ただ神はなにも気にしていないかのようの穏やかな表情を顔に浮かべていた。


「いやいや、君が気にする必要はないんだよ。別に彼女たちが戦いに参加するとは決まったわけではないんだし。

それにきみが行く時代は勇者と魔王が現れて戦争を始めようとする時からおよそ15年ぐらい前だからさ、なんならその間に体を鍛えて戦争に参加してもいいんだよ」

「じゃあ俺は勇者が召喚される約十五年前に行くのか」

「そうだよ。でも君の場合は召喚ではなく転生だから赤ん坊からだけどね。

まぁ勇者たちに会う時は年齢がだいたい追いついているわけだから問題ないと思うよ」

「転生するってことはこの体じゃなくなるのか」

「そうなるとは思うけど、その傷だらけの体よりは良くないかい?」

「神様なら知ってると思うけど俺の親は俺をかばって死んだらしいんだ。俺はそのことを覚えてないけど、自分の命をかけてまで助けてくれた親のことを誇りに思ってるだよ。

まあ、確かに俺の体は表面上傷だらけだけどせっかくその親が残してくれた体だからさ、大切にしたいんだ。

だからできればこの体のまま転生したいんだよ。できるか?」

「出来るには出来るんだけど、そうなるとその体が赤ん坊に戻すことになるから、その体の傷は治らないよ、その体が成長すると傷がまた出てきてしまうと思うんだけど本当にそれでいいのかい?ああ、でもちゃんと能力とスキルは引き継がれるから、そこんとこは安心しといてよ」


その話を聞いて、黒斗は力強く頷いた


「ああ、それで構わないよろしく頼む」



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