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追憶のルヴニール  作者: 水景莉華
第1章 〜カオスゲート編〜
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商業都市バイガン

モニター「ようこそ!商業都市バイガンへ!この街では、個人パスを使用しています。お作り頂いたパスで、商業を楽しんで下さいませ!」


自動で喋るモニター。動く床。最先端の魔法技術と金属のようなものを駆使した街に3人は圧倒されつつ、人混みの中に紛れていった。


「人、多いねぇ〜。迷子になっちゃいそう」


「私…ここ、苦手かも……」


「2人とも、離れるなよ。ここではぐれたら一苦労だぞ」


情報集めを始めたレヒト達。その中には、怪しい商人もちらほらと見えた。

この街に使用している技術は、数千年前に異端的に栄えていた星の建築技術をメティスでも使用出来るように一部再利用したもので、電気の魔法で動くものや、民家に至っては簡単に崩れないように設計してあるのだという。そして、商人の話の中に、一つ気になる話を聞いたのだった。


虹石こうせき?なぁに??それ。」


商人「はい。なんでも表面が七色に光り輝いている事からそう呼ばれているとか。」


「それで、なんでその石が珍しいんだ。やっぱり、宝石だから、か?」


商人「そうですね。その石を見つけた学者によれば、石の内部からは生命の波動を感じると…それも虹石は一つではないようで、観測器には各地に約13個の同じ波動が見つかっているらしいです。逆に言うと、13個しかない高価な物、という事です」


まだまだ謎に包まれている、と言っていた。そしてもう一つ聞いた話がある。彼らが目に付けた話は、実はこちらであった。


「棄民街オルハ…」


商人「そちらの青髪のお嬢さんはご存知のようですね。

…オルハ街。まさかこんな形で無くなってしまうとは」


商人の話によれば、今からちょうど1ヶ月前に、オルハ街にて双魔実験が行われたという。双魔実験とは、人が使う事の出来る魔力の種類は1つだけ、という常識を変えようとした、科学者達による非人道的実験であった。

彼らは、街の住人全てに、〈闇の魔〉を宿そうとしたのだ。無論、体の中にある魔力の流れは一つなので新しく入ってきた魔力が元の魔力と相反し、体内から人を蝕み、人格を壊し、やがて死に追いやるという。


商人「主犯は、レイアークの者であるとか…

今では実験失敗の影響で、人は住めず、草花は決して芽生える事の無い死の街です」

「…だから"人を棄てた街"…棄民街って呼ばれるようになっちゃったんだね」



それから、あたし達はバイガンを後にしたんだ。あたし、なんでかな。オルハに行きたくなっちゃったんだ。彼に…逢いたかった。

相反する瞳を持った、彼に。


♦︎♦︎♦︎


真っ暗な空間。何もない。

(わたくし)達の世界の物理概念は、ここファントミア・ハーツでは何の意味も成さない。

遠くには星々のが煌めき、私にはその全てが迷子になった子どものように見えた。

ここは、生からも死からも切り取られた場所。

私はここで、彼らの行く末の全てを見守る。

そして、この星に課された運命を乗り越える方法を独り探し続けている。


??「レーヴァテイン。貴方は優しいから、優しすぎるから…戦いの道を選んだ。わたくしを忘れても…覚えていてくれた。「レヒト」という名を。


エルシア…貴方を悲しい運命に巻き込んでしまいました。貴方の心…冷たく凍りつけてしまったのは、私…。


皆、ごめんなさい。私の力では…まだ世界を元に戻す事は叶いません…

私の存在をこの空間に保つだけでも、もう…

このままでは…星が、私の愛する人々が…。

お願い…星贄アーフィの力よ…あともう少しだけ持って。


今まで犠牲になってきた星贄(かのじょたち)の命を、無駄にしたくないの。

15人目の星贄(アーフィ)…あの(コレット)には時空さえも超えさせてしまった。

私が…私がなんとかしないと……


貴方達の 進む未来に


光の…あらんことを」


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