一日目(水)・・・寝坊
あなた方はドッペルゲンガーを知っているだろうか?ドッペルゲンガーとは、自分にそっくりな存在で出会ったら死ぬやら消えるやらと言う都市伝説があるが・・・ドッペルゲンガーとはかっこ良く言えば異世界のもう一人の自分とも言える。
このお話は幻想郷に住む桐月アルマとその仲間達のドッペルゲンガーが暮らす異世界のハチャメチャなことを書いたお話である。
では、お話のはじまりはじまり〜!!
桜の花びらが舞い落ち、暖かい陽射しが射し込む春のはじまり。しかし、この家ではこんなにいい日だと言うのに、大騒ぎになっていた。
「入学式から寝坊ってどうだよ!なんで起こさねえんだよ!」
「起きないあなたが悪いの。お姉ちゃんは何も悪く無い」
寝坊をして大騒ぎしているのは桜野アルマーー幻想郷の桐月アルマのドッペルゲンガーであるーー今年から共学になった八雲学院に入学することになった少年。
そしてアルマに怒鳴られているのは桜野幽々子ーー幻想郷の西行寺 幽々子のドッペルゲンガーであるーーアルマのお姉さん。八雲学院の現校長の親友。
「ゆゆ姉が目覚ましの電池抜いたんだろ!」
「あれ?ばれちゃった?てへ☆」
「てへ☆じゃねえよ!!」
「まあまあ、私校長と親友だから大丈夫!」
「だから心配なんだよ・・・」
アルマは、元女学院と言うこともあって、入る気はさらっさらなかったのだが、幽々子に半ば強引に入学させられたのである。幽々子曰く、一緒にいたいからだそうです。
「受験しなくても高校に入れたことには感謝してるけどさ。なんで共学になった途端の学院に入学させるかな・・・」
「いいじゃない!アルマのことを面倒見てくれって頼まれてるんだから!」
「知らないよそんなの。まあ、知り合いがいるだけましか・・・・」
「アルマはモテるもんね?」
「モテねえよ」
こっちの世界のアルマも鈍感である。
その鈍感さに幽々子は半分呆れ半分楽しんでいたのだった。
そんなことをしている間に時間はどんどん削れていた。
「てか、早く行くぞ?」
「え?ご飯食べてない・・・」
「なんで俺より早く起きたのに食べてないんだよ!!」
そう言うと 幽々子は恥ずかしそうに
「私作れない・・・」
「だから彼氏できないんだよ!!」
「アルマがいるからいいもん!」
「そろそろ弟離れしろ!」
二人の登校時間は、刻々と削れて行くのであった。