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 午後4時。横浜大学の校舎の前にハーレーダビッドソン・VRSCが停車した。式部香子は運転手である宮本栞に体を密着させ、ヘルメットを被る。


 宮本栞は式部香子がヘルメットを装着したことを確認すると、大型バイクを発進させた。

「まずはどこに行きましょうか」

「狙撃現場かな。高明さんが狙撃された新宿。一度現場を見ないと推理ができないでしょう」

「了解です」


 宮本栞と式部香子を乗せたハーレーが新宿へと向かった頃、板利明はラグエルと連絡をイタリアンレストランディーノの厨房内で電話をしていた。

「こっちで動かせるのは俺とハニエルとサラフィエルの3人のみ。ウリエルは組織とは違う独自の立場で捜査を開始している。これが現状だ」

『分かりました。ウリエルは独自の立場で捜査ですか。つまり動かせる実働部隊はハニエルとサラフィエルの2人ということですね。その2人がいれば厄介なレミエルと抑え込むことは可能でしょう。問題ありません。カードはちゃんと揃っていますから。あなたはハニエルたちのサポートに専念してください』

「分かった。それでレミエルの足取りは分かったのか」

『分かりませんね。明日来日することと、明日午前8時彼の愛車が横浜港に到着する船で運ばれるということは分かっているのですが。日本は島国ですから、海か空を通らなければ来日できません。手段は船を使って海から来るか、ヘリや飛行機を使って空から来るか』

「つまりレミエルが立ち寄る来日手段は限定されるということか。その場所を張り込めばレミエルと確保することができる。だが空港や港なんて多すぎるだろう。組織の構成員を増員させるか。末端が50人いれば張り込み作戦も実現可能だろう」

『大丈夫です。あの2人の捜査力なら末端50人なんて使わなくてもレミエルと確保することはできるでしょう。兎に角ハニエルとサラフィエルのあの情報を伝えてください。後はあの2人を信じるだけですよ』

「分かった」


 サマエルは電話を切る。そして彼はこの電話の内容をハニエルに電話で伝える。

「ということだ。大丈夫か。たった2人でレミエルと確保して無駄な銃撃戦を阻止することはできそうか」

『大丈夫です。任せてください』

 サマエルからの電話を切ったハニエルは、都内にあるファミリーレストランの駐車場に停車した車の中にいた。

 彼女の隣にある助手席にはサラフィエルが乗っている。

「さっきの電話。サマエルからやろ」

「はい。レミエルは我々2人だけで追えとのことです。どうやら彼は明日来日するそうです。詳しい来日手段は不明だが、明日早朝彼の愛車が船で運ばれるそうです」

「なるほどなぁ。それやったら2人でも確保できるかもしれんな。港はどこか分かるか」

「横浜港ですね。時間は午前8時」

「了解。それまで自由行動ちゅうことやな」


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