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水面の月光
酔える酒の元
稲穂が風で揺れる
僕はここにいるよ
ほら君もこちらにおいで
昇る月を眺める一人
残像すら許されないのか
地が浴びる銀の光も
少しずつ……
赤く染まってゆく
この仮面をつけて自分を騙してゆく
この感情すら壊れてしまえよ
慣れない痛みを抱えてしまって
涙すらもう流せないのさ
ほら本性、化けの皮が剥がれて
咆哮
冷める視界の青を塗りつぶして
静かな夜を待った
それでも未だ来ない影も
確かに少しずつ薄れてゆく
終わらない夢が続く
今日も変わらない夢が続く
明日も望んでいた夢が続く
だけどもう現実にならない
それが
人の宿命〈さだめ〉
池に映るこの光も
どこか消えてしまってゆく
僕はもう疲れたと
この身を水に委ねて
沈む
沈む
沈んでゆく……
作者マイページ 水桜紫苑様
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