雌ノ歌
しかしまさかあの先輩が教員だったとは。
・・いったい何歳なんだろ。
そして彼女たちはなんなのか。。
女子に囲まれてなんかキモい気分だし
気まずいしバンドどころじゃないよまったく・・。
高校ってこんなことばっかあるものなのか・・。
なんか不気味だな・・上級生までみんな俺のこと知ってるみたいだし
学生がバンドをはじめるってこんな流れなのだろうか・・
とりあえずCD聴くか・・
「♪♪~」
はあ・・人の歌声とか聴きいてなにが心地いいんだろ・・
しかもこれ、、
女の声。。。
しかも近代的な甲高いアニメ声で・・歌え言われても絶対出ねえから(汗)
俺、あの部活で笑い物に仕立てあげられるのか???
ああ・・やっぱりきもちわりいって・・こんなの歌えねえ!!!!!
ふざけやがって!!!
「ブツッ(停止)」
そしてこれをどこで練習しろと・・
愛昧「なに、ヒデそんなの聴きはじめたの・・??」
英武「なんだお前っいつ入ってきた・・勝手にはいってくるな!!!
これは学校で聴けってわたされたんだよ・・」
愛昧「オタクの友達でもできたのかな!?」
英武「軽音部っていうのに入らされた・・それでこれ歌えみたいな・・
なんか入学してから色々と変なことばっか起きるわ・・そもそもここ数年、
こんなにおっさんみたいになって俺が俺じゃない気分なのにな・・」
愛昧「それまんま最近流行のアニメみたいじゃん。ハハハ。
今軽音部とか高校バンドみたいなの
めちゃ流行ってるし。てか、べつにおっさんじゃないよ。
赤ちゃんから普通の高校生の男の子になっただけと思うけどな~」
英武「そうなんだ・・しかし俺最近テレビとか見ないからなー」
愛昧「そうだ、最近あんたっていつも何してんの。
昔は少女漫画とか萌えアニメよく観てたのにね、最近部屋篭ってるっぽいよね。」
英武「お・・俺は鬱なんだよほっといてくれ。
まあ俺って長い間ずっと何も考えてないお前の真似するだけの
ガキ同然だったからなぁ・・
つーか、お前さっさと自分の部屋に帰れ。
・・これからは急に許可なしに俺ん部屋へ侵入してくんな!いいな!?」
愛昧「あー、ほんとに急につまんない兄さんになっちゃって・・じゃあね。覚えたら教えてよ。
カラオケ連れてって歌唱伝授してあげるから。」
英武「うちの高校山ほど宿題もあるから忙しいんだよ。いいからはやく出て行け。」
愛昧「そうだ、ひさびさに一緒にお風呂はいんない?」
英武「・・お前最近キモいんだよマジで!!出て行け!!」
愛昧「あんたが変わっただけでしょうよ、はーそろそろ彼氏でも作ろうかな・・」
英武「ああそれがいいと思うわ・・ さっさと出て行け!」
バタン
・・そろそろやばいな、もうまったく兄妹の感覚じゃなくなってる。
これ以上かまうと、きっと暴発する・・親もあいかわらず昔のままに接してくるし
大人もみんな俺みたいな感覚で生きてるのか?
なんでみんな気持ち悪くないのか・・恥ずかしくないのか・・
それともそういう感覚なのは俺だけなんだろうか・・
あれだけ楽しかったゲームやテレビや漫画や雑誌もほんとにつまらなくなってる。
鏡の自分もなんか他人みたいというか、怖くて
しばらくろくに凝視してないな・・。ファッションとかにも興味を持つことさえできない。
今興味があるのは唯一・・
俺は部屋で一人妄想に耽ってるほうが気分が楽だから篭ってる。
こんな気持ちを現実で爆発させたらいったいどうなるんだ。
以前、学校で流行ってたアニメやゲームでそういうテーマの作品あったけど
きっと俺が本気で暴れたらそういう結末なる・・。
だから、俺はもっと歳をとって知識をつけて落ち着くまで
こうやって大人しくしたほうがいいんだきっと・・
なんとなく・・そんな気がする。