遅熟の果実
愛昧「ヒデ、もうすっかりお兄ちゃんっぽくなったなぁ」
英武「鳥肌立つからやめてくれ・・」
愛昧「高校でめちゃモテだろうね」
英武「女にモテるとかくだらねえよ、あーダッセー」
愛昧「そういえばヒデって女の子にも興味でてきたのかな?」
英武「興味なんて・・あるわけないし」
愛昧「でもヒデって幼稚園のころすごく女好きでスケベだったのよ。あたしは覚えてるし~
小学校はいったくらいからはすっごい赤ちゃんみたいになっちゃったみたいだけど。」
英武「いったいお前は何を言ってるんだ・・? おい、そんな大昔のくだらないこと覚えてんじゃねえ! 」
そう、最近愛昧がかわいくてしかたない。
可愛い・・?
・・ぬいぐるみ・・
・・子犬とか子猫・・
・・赤ちゃん・・
いや、そんな感じとちょっと違う。
なんだろうこの得体の知れない感情は。。
こいつと女湯に浸かったり
風邪を引いたときにオンブして二階に運んでもらったり。
喧嘩でも勝った記憶はない。
まだ昨日のことのみたいなのに・・。
俺たちは
俺の心身の急変により数十年ぶりに関係が逆転した。
なんでかね。俺の記憶は曖昧なものだっだが
ここ最近はやたらと記憶がはっきりしているというか・・
まるで急成長が起きるまでの幼児同然だった
俺の出来事は前世の記憶であって
俺って最近産まれたばっかなんじゃないのっていう
新鮮な気分。
そしてこの妹とも最近出合った赤の他人のような感覚であり・・。
とにかく、今の俺はすべてが恥ずかしい。
ついさっきまで子供扱いされてたはずなのに
今は世間からも誰からもれっきとした男として扱われてるのがわかる。
男なんて獣だ。女は化け物だ・・。
鏡に映る俺、誰なんだお前は。
ああ、今日から高校生活の始まりだ。
ああ、行きたくない。誰とも会いたくない・・。
親や愛昧とも一緒に暮らしたくない。
かといって寮もいやだ。ああ・・。
なんなんだこの恥ずかしい気持ちは。