フラグ原因発覚と職
《幸福刈り》
名前からして、幸せなど訪れないと言っているような能力である。
沈黙を最初に破ったのは……
「ぶっ、あはははははははっっ!!何たよその能力!!暫くこれで笑えるわ!!」
爆笑しだした六だった。
そんな六がアンリは気に食わなかったが、返す言葉はない。
ー………私の体質、潜在能力からだったのね…
「《幸福刈り》……初めて聞く能力だな、いかにも良いことなんか起こらないような名前だね」
「………いらないのだけれど、おっさんの《検索》と交換してちょうだい」
「そんな世界中の不幸を集める能力なんていらねぇよ」
「僕もいらないかなぁ、でも消すことは出来るよ」
え!?とイヴァルを見るアンリ
「潜在能力はね、命に関わるような危険な物だった場合、条件を満たせば無かったことに出来るんだ……アンリちゃんのその能力の条件は知らないけどね」
「ま、そのうち分かるって、その前までに死なないと良いな」
「叩き潰すわよ」
「何を!?」
「はいはい、じゃれ合いはそこまで」
手を叩いて、イヴァルは二人の視線をこちらへ向けた。
「アンリちゃんの職を調べないと、ギルド登録が出来ないからね」
「ねぇ、職ってどれ位種類があるの?」
「ざっと40種類かなぁ」
さらりと、凄いことをイヴァルは言った。
近くのメモ帳の紙を一枚取り、ペンで何かを書き始める。
「職は攻撃型、支援型、変化型の三つに分かれている、僕の[人形師]は変化型にあたるね」
「言わずとしれず、俺の[侍]は攻撃型だ」
イヴァルが書いていたメモの紙をアンリに差し出す
・攻撃型
[剣士]、[双剣士]、[大剣士]、[魔剣士]、[侍]、[騎士]、[聖騎士]、[竜騎士]、[血痕騎士]、[銃士]、[銃剣士]、[投擲者]、[盗賊]、[弓士]、[双銃士]、[拳闘士]、[棍術士]
・支援型
[魔術師]、[僧侶]、[占術士]、[法陣士]、[砲撃士]、[音律士]、[巫女]、[錬金術師]、[言霊使い]、[歌姫]、[妖術士]
・変化型
[漁師]、[人形師]、[降霊術士]、[学者]、[盾士]、[暗殺者]、[農家]、[詩人]、[大工]、[商人]、[賭博士]、[縫合家]
「………漁師?」
「君が魚を食べれるのはその職の人のお陰って事さ……さて、君の職を調べようか」
不敵にイヴァルは、笑った。