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鳥は七面鳥か焼き鳥か、どちらが人気か

今思うとまともな戦闘話書いた記憶がありません

棍を構えながら、アンリは相手を隅々まで観察する。

武器はナイフ。だが相手は[暗殺者アサシン]だ、他にも武器を隠し持っていることなど簡単に予想できる。

更に言えば行動範囲が決められている狭い場所で長い得物……アンリの棍に仕込刃なんてものは付いていないが、それを振り回すなど大きな隙を作るだけだ。

簡単に纏めれば、今アンリは圧倒的不利な状況に陥っている。


ー……格好良くあんな事言ったけれど…

ー……やっぱり、戦おうとするもんじゃないわね。

「……あのよぉ、俺はたった数秒でも睨み合いなんてしたくねぇんだけど。さっさと来いよ」

「うっさいわね、打開策考えてるんだから邪魔しないで頂戴」


手っ取り早いのは、建物を囲んでいる結界を壊すことだろう。

だがどう見ても丈夫そうだし、何よりそんな事した方が相手にとって有利になるに違いない。

ふと、アンリが何かを考えたまま動かないのに痺れを切らしたのか、腕を軽く回し出すコロナ。


「じゃ、俺から行っても文句ねぇよな?」

「!」


コロナはそう言ったと同時に、一気に間合いを詰めてきた。

下からアンリの首筋目掛けて一閃されたナイフを、体の重心を後ろにすることで寸前の所で避ける。

が力を無くしかかった足を払われ、そのまま仰向けに倒れる。

そこを狙い、コロナはアンリの首を片手で掴んでもう片方の手を大袈裟に振り上げた。


「っ……《天光アスティオン》!!」


一気に魔法陣が展開され、周囲を閃光が包んだ。

手が緩んだのを見逃さず、すぐさまコロナの手に爪を立て手を引き剥がし、間合いを開ける。

術式は簡単な物しか組み立てられなかったが零距離、目は確実に潰れているはずだ。

そう思いつつ残光に目を細めつつ顔を上げて……息を飲む。


「おっかねぇなぁ……目が焼けたらどうすんだ、えぇ?」


コロナの顔に、サングラスが付けられていた。

サングラスを外して足で踏みつぶし、ニヤリと笑う。


「目の色素が薄いもんでよぉ、サングラスは大量に持ってんだ。それこそ数はナイフより多い」

「……その目を守る貴重なサングラスを、壊したけど?」

「一度付けて外したのなんか使いたくねぇんだよ」

「……金の無駄……ね」


内心アンリは、舌打ちしたくなった。

先程のナイフを振り上げる動作、まるで子猫の戯れに付き合っているような感じで手加減されているのがはっきりと伝わった。それがアンリの気に触れ、更に苛立たせていたのだ。

一泡吹かせたい、珍しくアンリの中で闘争心が芽生えた。


ー私の棍の長さは約180cm

ー……あの子のは、多分15~20cmかしら


せめて、障害物等があれば色々と考えられるのたが。

そこまで思い、ふと首を傾げた。


ー………。

「おらどーした、さっさと来いよ!活け作りにしてやろうか!」

「わざとらしい挑発なんかしなくても、今度はこっちから行くわよ」


そう言って…冷気が棍に纏った。

それを軽く回し、笑う。


「棍術秘技・冷蜂」

「……資料通り、か。魔術と棍術を組み合わせんのは凄いが、《魔力源ゲート》が発達してなきゃ持続できねぇ」


そう言ってコロナも、もう片方の手にもナイフを出し構える。


「約10分、それがその冷たい棍のリミットだろ?」


アンリは、答えない。

正確には11分05秒だ、しかも今ので約30秒は無駄にした。

残り時間、10分35秒。


ー…その間に考えたのを全部実行しないと。

「別にリミットなんか関係無しに君のことは倒せるわよ?」

「ハッタリか?俺の精神は鋼の精神だ、んなことでいちいち……」

「あら、じゃあハッタリじゃなかったらどうかしら?そうねぇ……例えばの話よ」


棍の先を下に向け、話す。


「私がもしここから出たら、君絶対動揺するわ」

「ありえないな。この結界は《くだん》の特製だ。元は梟の奴が書いたからお前は絶対に出れない」

「そんな事ないわよ?ほら上をご覧なさい」


アンリが空を指さすので、攻撃してきたら何時でも反撃できるように警戒しつつコロナも空を見上げる。

鳥が1羽、空中を旋回していた。


「……ただの鳥だろ」

「えぇ、ただの鳥よ。けどほら、よく見て」


そう言われてコロナは目を凝らす。

空を旋回した鳥は一層強く羽を羽ばたかせて…結界の内側から外へ出た。


「あのおチビさんのアジトにあった結界と同じなのでしょ?コレ」

「………それが?」

「君が言ってた鼠の子に攻撃を受けたときに気付いたのよ。この結界の法則に」


そして、笑みを深めた。


「一度結界を発動した後、対象物以外は自由に出入り出来るのでしょう?」

「………」

「あの時は鼠の子のブーツ底に仕込まれてた刃、今は鳥……簡単に分かり易く言うと……そうねぇ……トマトを切ってる途中みたいな」

「言いたいことは分かったけどその喩えどうなんだよ」


もっと分かり易く説明すれば、水の中に手を入れる事だろうか。

水が貯まったところに手を入れても、中の水質が変わる訳でも水の色が変わる訳でもない。手を出しても濡れているという部分に目を瞑れば特に変化もない。

あの時は彼のブーツの仕組みばかり気を取られていたが、よくよく考えればあの刃は結界を通りアンリを狙った。


「つまり、この結界には何かしらの条件があって、それをクリアーすれば解除されるのよ。アジトのはアス君が外側から魔法陣を削ってくれたけれどね」

「おいおい、ここにゃ魔法陣なんてねーぞ?目大丈夫か?」

「さてここで問題でも出しましょうか。例えばさっきの鳥が戻ってきた時に……首を切り落としたらどうなるのかしら?」


アンリの言葉を興味無さそうに聞き…ハッと目を見開くコロナ。

トマトにフォークを突き立てて、抜く。


「結界に少しの間、穴でも空くのかしら?試してみたいわぁ」

「オイオイオイオイオイオイ……シャレになんねーって龍の奴!それ何言ってんのか分かってんのか!?もしもだ、首をその穴から出した瞬間に穴が修復されて閉じたら、対象物になってるお前の首、落ちるぞ!?」

「あら、閉まる前に棍でも突っ込んどけば大丈夫よ……さて、ここで問題です」


指を再び立て、今度は手に持っている棍を指示した。


「今の所要時間……ざっと3分。この棍の冷気はどこに行っていたでしょうか?」

「…………!!」


足元を見て、目を見開いた。

棍を中心としてアンリの足下に、氷が張っていた。


「石っていうのは昔から魔術に利用されていて、その殆どが魔力を通しやすいのよ。この冷気も魔力で出来てるから……こうすれば!!」


両手で棍を掴み、思い切り足下めがけて突き立てた。

ヒビが入り、アンリの足下が大きく砕かれる。

コロナの唖然とした表情に笑いそうになったが、すぐに見えなくなってしまい床に着地する。

どうやらこの建物に人は居ないようだ、顔さえ目撃されなければ修理代は請求されない。

首を回し、腕を回し、よし!となるアンリ。


「さてと……猿が来る前に使えそうなもの急いで探さないと」

無いと思いますけど、皆さん質問とかありますか?

どうせ7月マトモに祝えないし……今の内にってやつですかね

あったら教えて下さい、因みに7月1日は一気に更新する予定です

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