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身長なんか愛と争いには関係ない

テストがやっと終わった……!

数学と英語が物凄くヤバいけど現実逃避で投稿する自分。

アンリが無事であることを確認し、銃を握る手を強めたアストリッド。


「そのままこっちを向け。聞きたいことが山ほどある」

「ちっ……ネコはネコらしく寝てりゃあ良いのによぉ」

「山ちん、しくじっちゃったのかな?」


ユーグレナの事は離さずに青年は片手を上げ、ゆっくりとアストリッドの方へと体を向ける。

アストリッドと視線が交差し、笑った。


「はっ!マルのことだ、馬野郎に止めろ言われたんだろ」

「ありゃ、勝手に!?酷いよぅケッちゃん!!」

「悪いが世間話は後にしてくれ、ここも余り保ちそうにないんでな」


この間にも炎は広がっていて、室内の温度も上がっている。

アストリッドの額に汗がにじむのを見て、青年は更に口角を上げた。


「おいおい、大丈夫かぁ?寝るか?ここで寝て焼死するか?」

「そんな趣味はない」

「そりゃ残念だ。おい……横大丈夫かよ」


ふと、そんな事を言う青年。横は燃えている窓があるだけだが、そんな事に引っかかる人間はいるはず無い。

勿論、アストリッドも見なかった。


「騙し討ちでもするつもりか?子供でも引っかからないぞ」

「イヤイヤイヤ。危ないぞ~、腕降ろせよ~」

「いい加減にし」


アストリッドの視界で、赤い液体が飛び散った。その後に銃を持っている腕から激痛が走る。


「アス君しゃがんで!!」

「ッ……!?」


アンリの言葉に反射的にアストリッドはしゃがむと、アストリッドの頭部の延長線上にあった機械に穴が開いた。

……遅れて、ターン……と言う音が耳に入ってくる。


「狙撃…!?」

「言ったじゃねぇかよ危ねえってさ!人の親切を無碍にしてるとバーンってヤられるぜ?ヒャハハハハ!!掴まってろよユー!!」

「あいあい!」

「っ待て!!」


銃を上げるが、それと同時に青年は銃弾が飛んできた窓から外へと飛び出していった。

……息を吐いて銃を下ろし、短剣を持ってアンリの元へと駆け寄るアストリッド。


「待ってろ。方陣は実用性はあるが、外側から陣を少しでも削れば外に出られる……ほら」


光が消え、アストリッドがアンリへ手を差し伸べる。

それを見、流血している腕を見てその手を取り、立ち上がるアンリ。

髪を縛っていた髪紐……ランの物だが……を外し、止血するためにそれで縛った。


「応急よ。ここを出たらちゃんと弾丸は摘出するから我慢して」

「……悪い、怪我はないか?」

「えぇ勿論。最初見て分からなかったけれど……今なら分かるわ」

「アンリ……」


アストリッドに微笑みかけるアンリ。

そして手を握って、笑った。


「さっきの男の靴、シークレットブーツよ」

「…………」

「底が厚いから刃が付けられたのね……履くと運動に支障を来すのにあんなに動けるなんて……驚いた。是非そこについて語りたいわ」

「アンリ」


顔を上げるアンリ。


「少しは空気を呼んでくれないか?」

「そう?なら外に避難しましょうか」

「…お前、変わらないな……逆に安心したよ……」

「あら、それは褒め言葉かしら?」


まだ燃えていなかった棍を手にして、さっさと階段から降りていくアンリ。

その後ろ姿を見て呆れ気味に笑い、その後に続いて行った。




 †  †  †  †




外にはあの二人の姿はなかった、居て欲しくないが。

大きく伸びをして外の空気を吸い、アンリは外を見渡した。

暫く野原が続いているが、少し歩けば森に入る。どうやら少し小高い丘の上にあるらしい。

出て来た建物を振り返れば、燃え盛る見張り台のようなものがそびえ立っていた。城壁にありそうだ。


ー……ん?

「ねぇアス君、ここどこ?」

「オルディアとロータスの、ロータス側の国境だな」

「……遠いじゃない、メルリーンよ私が行きたいの」


ロータス側の国境から首都までは、馬車で最低一週間の距離である。

それを聞き、首を傾げるアストリッド。


「クリスタじゃないのか?」

「今花祭りやってるじゃない。私、祭りに出ないとなのよ」

「……お前がか?」

「えぇ、駄目?」

「否……」


……場が静まりかえり、森から鳥のさえずりが聞こえてきた。

からかう相手がいないと静かなアンリと、その様子を眺めるのが板に付いていたアストリッドが二人きりで居ると、こうなる。そんな事をすっかり忘れていた。


「嫌な予感がするのよ……出来るだけ早く、今日か明日にでも首都に行きたいのに……」

「なら、ウチに来るか」


…今度はアンリがアストリッドを見た。


「俺とセストが世話になってる場所に、転移魔法が得意な奴がいる。そいつに頼めば魔法陣を今から書くとしても明日には着くと思うぞ?」

「……そう。ランは大丈夫かしら………あの子私の真似してるけど、私の品位を落とすような行動してないと良いけれど……」

「真似してる、じゃなくてさせてるでしょ!?」

「そうとも言うわ……ん?」


妹らしき声がして、アンリは森の方を見た。

そこには、こちらへ走ってくるランと神月かつき、セッカとーーー


「げっ……ランの奴、瓜二つじゃねぇか……」

「………貴方は、誰?」

「お前はよぉ!!絶対わざとだろ!?嘘だよな、なぁ嘘だろ!?」

「セスト、お前も来たのか?それに……ラン、随分と大きくなったな」


二人の元まで走り、息を整えるラン。

そしてアンリを見て、眉間を細めた。


「姉さん言わんこっちゃないじゃない!!こっちがどれだけ心配したと思ってるのよ!?」

「……ラン?何で貴方がここにいるのよ。メルリーンの方は?」

「チェリナだ」


そこでセッカがランの横から前に出て、口を開いた。


「チェリナが《変身メタモルフォーゼ》でお前の姿のランに姿を変えている」

「セッカか。変わらないな……主に見た目が」


セッカの額に、血管が浮いた…様に見えた。

そのまま火花を散らすセッカとアストリッドは無視し、アンリはランを見た。


「ラン、今すぐ首都に戻るわよ」

「え……でも、二人がお世話になった人達に挨拶しないと……」

「そんなの祭りが終わってからで十分よ!セス君、殴るのは後にしてあげるから今すぐ転移魔法陣書ける人間三人ぐらい呼びなさい!!」

「そんなに居るか!!」


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