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事態が急展開するのはネタ切れの証だって言われるよ

はい、題名通りに急展開

出てきた顔を、唖然として見つめるラン。

古い記憶の中に出てきた、姉の親友で、仲間でーーーー


「セ……セスト……」

「女らしくなっちまってよ……ホント、11年っつー時間は長いな」

「……っ、ずっと……ずっと、捜しててっ……セスト!!」


そして笑顔でセストに駆け寄りーーーー


「今までどこで道草喰ってたのよ馬鹿野郎!!!」

「ガフゥッ!?」


走った反動をつけ、セストの腹部に拳を躊躇なく叩きつけた。

耐えきれず倒れたセストの胸倉を掴み、上下に振るラン。


「こっちがどれだけ心配したと思ってんの!?リュウズさんなんて白髪増えたよ白髪!!連絡入れるって言う考えなかったの!?」

「良いぞラン、もっとやれ」

「この馬鹿!!馬鹿!!その頭燃やすよ馬鹿!!この…馬鹿!!」

「馬鹿しか言ってねーじゃねぇか!!やっぱしアンリの奴そっくりに育ちやがって!!俺の感動返しやがれ!!」

「嬢さん、セストの奴は後で殴って貰えるか?今はそれ所じゃないんだ」


そこで胸倉を振る手を止め、セストと共にいた他の男達を見る。

セストと服装の身軽さは一緒だ、恐らくジョブ持ちだろう。


「セストを知ってるって事は、お前らクリスタから来たんだろ?」

「先に私の質問に答えて貰うぞ」


と、セッカが服の袖から銃を取り出し、一人に銃口を突きつけた。


「貴様等は、何者だ」

「おいおい……セッカの奴、相変わらず………変わらず……自分勝手だな」

「うん、言葉選んで正解だよセスト」

「……分かった。話しづらいから下げてもらえるか」

「…………ふん」


銃を下げるセッカに、胸をなで下ろすラン。

男が変なことを言って、セッカの自虐心に火を付けないかと内心ヒヤヒヤしていたのだ……安心した。


「俺達は、《獅鋼之爪レグルス》っつー山賊だ」

「…………山賊?」

「…………セスト……そういうの、好きそうだよねぇ……」


冷めた目でセストを見る二人。

神月かつきはセストの事は分からないので傍観しているが、やはり冷めた目をしている。


「え、何、何だよお前らその目!?」

「技名を嬉々として言っていたセストがな……」

「成績オール2だったセストがね……」

「否、貶してはいないぞ?くくっ……実にお前らしい選択だ……そういうのも悪くないんじゃないか?」

「良いと思うよー凄くー」

「お前ら実は打ち合わせしてたんだろ!?てか貶してるだろ、完璧に笑ってるだろ!!てかテメェ俺のことそんな目で見るな!!」


セストだ。と二人は同時に思った。

この重箱の隅をつつくようなツッコミも、その際に無駄に声を出して大袈裟に言うところも、全部セストにしかできない芸当だ。

確信した、セストは変わっていない………主に精神面で、だが。


「冗談は置いといて……《獅鋼之爪レグルス》……神月かつき、聞いたことある?」

「…………確か、オルディアとロータスの国境間で活動する傭兵業を生業とする輩の集まりだと聞いた」

ー………国境間?


メルリーンはオルディア国の中央に位置する都市だ。そしてロータス共和国はオルディア国と貿易関係にある。

それなら国境間で仕事を探す者達も多い、クリスタもそうだ。

そうだ、がーーーー。


「ここ、もうすぐすればロータスなの!?」

「おぅ……てか、何でお前らこんな山奥にいんの?」

「否逆に聞くけど何でセストこんな所にいるの!?」


セストとアストリッドが行方不明になったのは、炭坑跡だ。

あそこは川なんか流れていないし、他に出口があるわけでもない。なのに何故か11年前、二人は姿を消してしまったのだ。

ランがそう言うと、苦笑するセスト。


「それについては、俺が今世話になってる拠点に来いよ。アストの奴もお前らに会いたいだろうしな」

「!アストも……無事なの?」

「あぁ、どこも欠けてねぇから安心しろ」


セストに頭を少し乱暴に撫でられるが、思考が状況に追い付けなかった。

あれほど捜していたというのに、こんな姉の危機にあっさり見つかるなんてどれほど都合が良いのだろうか………。


ーん?

ー……………………あっ

「あぁーーーっ!!姉さん、姉さんのことすっかり忘れてた!!」

「そう言えば……そんな奴も存在していたな」

「そんな奴言わないで!セストさっきの犬の人、あの人何なの!?」


ランの気迫に若干引きつつ、目を細めるセスト。


「…アンリの奴に何かあったのか」

「あの馬鹿、誘拐されやがった」


はぁ!?と大きな声を出すセスト、だが無理もないだろう。

姉は誘拐なんてされる性格じゃない、だからランも焦っているのだ。


「あのアンリが!?何の天変地異の前兆だ!?」

「そ、そこまで言われるのか……アストの彼女………?」


どうやらアストリッドが姉の事を好きなのは《獅鋼之爪レグルス》では既に知れ渡ってる事らしい。発信源は十中八九、セストだ。


「それで姉さんが誘拐された場所にあった魔法陣を使ってあそこに着いたの。その人達があそこに潜んでたのと関係があるの?」

「!……成程な……そりゃやべぇな……」


段々とセストを含む男達の顔色が悪くなっていく。

やはり関係あるらしい、そうとなれば拠点に行って情報を仕入れなければならない。

と……遠くの方から誰かが走ってくる音が微かに聞こえた。


「おい!お前ら!」

「?ダルナどうした?お前ここ配属だったか?」


ダルナと呼ばれた青年が慌てた様子でこちらに来るところだった。

彼はラン達を見て訝しげに目を細めたが、それ所ではないようでセスト達の方を見た。


「アストの奴がここ来たか!?」

「は?アストがどうか……」

「あいつ……何か、奴等の拠点で魔力反応を感知したってルナの奴がお頭に言ってたの立ち聞きしててっ……いなくなっちまった!」





「ユー!!」


ユーグレナの発言にアンリが驚いた瞬間、誰かがこの部屋に入ってきた。

薄い紫色の髪を腰まで伸ばし、赤いメッシュを横髪に入れた男で、両耳には耳飾りが所狭しと付けられていた。

その男を見て、笑顔を見せたユーグレナ。


「針ちん!!」

「大丈夫か!?煙がこっちまで来たから驚いたぞ……ったく、心配させんなよ…」


ユーグレナを抱き上げ、青年はアンリを見た。

その目は、つい数秒前までユーグレナに見せたようなものではなく…憎悪と怒り、敵意が混じった目。


「てめぇ……元気すぎんのも限度があんぞ」

「……あらあら、チビの次に相手してくれるのはロリコンかしら?丁度退屈してたのよねぇ」

「安心しろ、退屈だなんて思わせねぇ」


そして青年は片足を上げて……靴の底に、仕組みは全く理解出来ないが、丸鋸刃が半分埋め込まれた状態で付いていた。

それが勢いよく回転し始めるのを見て、表情を強ばらせるアンリ。


「随分と、足裏の皮が厚いのね。それとも足の感覚がないのかしら?診てあげましょうか?」

「安心しろ、そんな事考えなくて済むぞ」


そして青年の蹴りがアンリに襲いかかり、アンリは反射的に防御魔法を目の前に展開させる。

丸鋸刃とぶつかり合い火花を散らすが、組み上げる時間がなかったので自然と強度も低くなる。

そして……魔法陣にヒビが入った。


「っ………!」


鮮血が飛び散るのを覚悟して、アンリは目をつむってーーー



「撃たれたいのなら続けても良いぞ」



ジャコッ、青年の後頭部に鉛を押し付けられる感覚がした。

……静かに足を下げ、意識だけを後ろへ向ける。


「は、針ちん………」

「……こりゃあ、ネコが一匹紛れてたのか……気付かんかったわ」


ゆっくり瞼を上げ、そして目を見開いた。


「なぁ、ネコさんよ?」

「悪いな、鼠を捕まえるのは猫の役目なのは昔から決まっているだろう?」


青い少し伸びた短髪に、碧色の目。

少し皮肉気に彼はそう言って、アンリを見る


「大丈夫か、アンリ?」

「………アス君?」


彼は、アストリッドはアンリを見て、笑った。

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