曝露された真実
随分と見慣れた少女系の赤い屋根の家…ならぬギルド。
三人は六に連れられ、本日二度目のギルド訪問を行っていてーーー
「昨晩、キャットウォークマンの遺体がローツェルブで発見された」
「…………!!」
イヴァルの言葉に神月が大きく反応した。
アンリ自身もてっきり依頼かと思っていたのだが、どうやら見当違いのようだった。
ふと、後ろの扉からサラとコウキも入ってくる。
「あっ、ランちゃん達!」
「おい何の用……………ちぃっ!!」
「………俺の顔を見て舌打ちするとは良い度胸だな」
コウキは完全に神月を嫌っていたらしい。
今すぐにでも刀を抜こうとする神月をランとサラで抑えている間に、アンリはイヴァルを見た。
「それは本当なのかしら?」
「嘘ではないね。空間投影魔法の資料付き、見るかい?」
「えぇ是非」
「うげ……悪趣味な女め……がごっ!?」
六の腹を肘打ちし、イヴァルから手渡された資料をめくる。
そこには、紙に反映されたキャットウォークマンの死体が写っていた。
腹部から顔にかけて一閃、見事な斬り傷だ。
ー……逃げたのかと思っていたけれど
ー………まさか、死んでるとはねぇ……
「湖の岸に上がっていたそうだ」
「あらあら、観光客が減っちゃったんじゃないの?」
「激減したらしいね」
「貸せ」
と、コウキと睨み合いをしていたはずの神月がアンリの横から手を伸ばし、資料を引ったくる。
そして、資料を見て目を細めた。
「……殺されたのか、あの女」
「君じゃないんだね?」
「かつての君主に手をかけるほど落ちぶれてはいない」
ランに資料を押し付け、軽く神月は目を伏せた。
「……敵は多かったのだろうがな」
「……前から気になっていたことがあるのよ」
そんな神月を見て、アンリが口を開く。
その場全ての視線を感じながらアンリは言った。
「キャットウォークマンは、何者なの?」
「……何者って姉さん、[音律士]の怪盗だよね?」
「そんな事は聞いてないわよ、私が聞きたいのはその前のキャットウォークマンよ。かーくん、知っているのでしょう?」
アンリの言葉を無言で受け止める神月。
場の空気は完全に静まり返っていた。
「名前からして偽名だし、調べようがないのよ」
「………………」
「少しでも良いわ、言え」
「ちょ、アン姉命令系だよそれ……?」
サラの戸惑いの言葉も頷ける。
質問から、強制に切り替わっているのだ。そうとでも言わないと神月の事だろう、口を開かなそうだ。
……少しして、神月がアンリを見た。
「……………あの人は、命の恩人だ」
「?」
「……………俺を逃がして、助けてくれた」
ポツリ、ポツリ。
そんな音が合っているかのようだった。
「ーーー俺は、自分が生きた村を、家を、焼き払った」
「………………え?」
小さく、ランが声を漏らした。




