作戦会議
「で?お前はのこのこと帰ってきたと?」
「うん………やっぱり私には、悪い奴には見えないんだまけどぅ!?」
「この、バカおんなーーーー!!」
宿に戻り、帰ってきていたアンリを含む三人に話をしたラン。
頷こうとしたら、コウキが片手で頭を鷲掴みにしてきた。
手を解こうともがくランを見て、更にコウキは力を強くする。
「姉が姉なら妹は妹か!捕まえてこいよアホ!」
「否だって!捕まえようにも剣持ってなかったし、本当に悪い奴には見えなくって………いたたたた!」
「お前はお人好しすぎんだよ!」
「コ、コウキ!ランちゃん放してあげて!」
銃を構えそうな勢いのコウキを、慌てて止めるサラ。
アンリはそれを見て笑いつつ、頭をさするランを見た。
「で、ランはどうしたいの?捕まえるの止める?」
「そんな事しない!でも、放っておけない」
「今度こそ刺されるわよ?」
「私はまだ死ぬ気はないよ……死んでたまるか、見つかってないのに、あいつ等が………」
「……ホント、姉より目立つ妹なんて嫌だわ」
困ったように溜息を吐くアンリを見てランは苦笑し、そして目を細めた。
この先のことが決まったとしても、実現するには三人が聞いた謎の音を解明しなければならないのだ。
その対処法さえ分かれば、傀儡対象が判明出来、有利に事を進めることが出来る。
「コウキ君は待機ね?傷余り癒えてないでしょ?」
「はっ!言ったろ、あの男は俺が殺る!」
「ごめんなさいアン姉……コウキ、《癒し》かけろって………」
《癒し》は回復魔法の一つである。
普通の回復魔法とは違い、微弱ながら体力と魔力も回復できるのだ。
どうやらそれで、コウキは完璧に前線に立つつもりらしい。
ー……結構、根に持ってたのか……。
「良いのよサラちゃん、悪いのは医者の言うこと無視したこの子よ?」
「お前医者じゃねぇだろ」
コウキの言葉はもっともである。
だがコウキの言葉は無視したらしく、アンリはランを見た。
「ラン、私に良い考えがあるの」
「良い考え?……姉さんが言うと、嫌な予感しかしない。第一音の事を調べないと………」
「そんなの、もうとっくに分かってるわよ?」
「そう、なら姉さんの話を聞くよ。まずどこにキャットウォークマンが居るか調べないとね」
そう一人頷いて………え?と、ランはアンリを見た。
「……………嘘でしょ?」
「私、あの時言いかけたじゃない」
そう言われ、ランは襲われた状況を思い出した。
確かに音が止む直前、アンリが口を開いていた気がする。音が煩くて殆ど耳に届かなかったが。
「これでも私、頭良いのよ?」
「……私、偶に姉さんが分からなくなる。急展開すぎないこれ?」
「良いのよ、事は早く進めば進むほど早く終わるわ」
「良いからさっさと話せ」
コウキに口を挟まれて、肩を竦めたアンリ。
そして、言った。
「ラン、ドレスは好き?」
「アウトーー!!その時点で嫌な予感しかしない!!」
「まぁまぁ、お姉ちゃんの話をよく聞いて」
「だから気持ち悪……ちょ、姉さん?何でこっちに寄ってくるの?その手に持ってる物は一た……こ、来ないでぇぇえ!」
そして時計の針は9の文字を指す。




