棍術士と双剣士
二人が住んでいるのは、昔アストリッドが住んでいた家である。
アストリッドの両親がこの町を離れたため、一年前から薬剤師の資格を得たアンリが店として開いているのだ。
「納得行かないわ」
「……姉さん、開口一番どうしたの?後働け」
ランのギルドカードを弄びながら言ったアンリに対して、薬品を確認しながらランは言った。
「アナタの能力よ!!」
「………姉さん、一つ確認するよ?」
「何かしら?」
「私がギルドに正式に加入したの、二年前だよ?」
ランは二年前、13歳の時にサラと共に加入したのだ。
それを今更言われても困るのはこちらの方、とランはアンリに伝えたかった。
「アナタが自分の能力を何時までたっても教えてくれないから、今日の朝アナタが朝練してる間にカード情報を読ませて貰ったわ」
「だから持ってるのか!見せたら姉さん煩いかなって思っただけだよ!返してっっ」
「10万ギル」
「商売じゃないでしょ!!」
ランのギルドカードはこうなっている。
冒険ギルド所属:ラン
出身:オルディア国
職:双剣士
能力:《瞬花秋刀》
:《抜刀演舞》
:《柔軟》
:《幸運》
:《身体能力強化》
「確かに、姉さんの《幸福刈り》に喧嘩売ってるのがあるけど、それで文句いわ」
「何で私と《柔軟》が被ってるのよ!」
「否そこ!?てっきり私《幸運》の方かと……」
「どうせ私ので相殺されてるでしょそれ」
「………返す言葉がありません」
このやりとりにランは内心溜息を吐いた。
昔のアンリは、もっとランが尊敬できる人物だった気がする。身内の欲目を引いてもだ。
ー……否でも、昔からこんな性格だったっけ?
「私は昔と変わってないわよ」
「人の心を読まないで。まぁでも、姉さんが怒ってないならそれで良いや……安心した」
そうして笑ってーーー?
「うわぁぁぁぁあぁぁあっっっっっ!!」
「!?イヴァルさんの声!?」
何故かイヴァルの叫び声が聞こえてきた。
因みにイヴァルはギルドに住んでいるが、この店からの距離は結構離れている。
なのにすぐ近くで叫んでいるような大きな声で叫ぶイヴァル。
「あら、歳かしら?」
「何で歳=叫ぶって言う方程式を作り上げてるの!?姉さん行ってみよう!」
「いってらっしゃい!」
「清々しすぎるよその笑顔!!」




