始まりの始まり
それから完全に空が暗くなった頃、一同はギルドにいた。
「うん、依頼達成を確認したよ。六が無駄に斬ったのがあれだから今度は股間蹴ってでも止めてね」
「ざけんな!」
報告書をトントン、と整理して笑うイヴァル
あの後、裏口を見つけてきたアストリッドの手柄で盗まれた物も取り返し、盗賊達も縛り上げて御用にした。
……六無双のお陰であっさりと依頼がこなせたわけだが。
「やっぱり六は冒険者が性に合ってるんじゃない?今からでも僕は遅くないと思うんだけどな」
「お断りだ。俺は今のところ商売してるので十分でね」
「それは残念だな、所でアンリちゃん、セスト君の家に行ったのかい?」
「全く?」
「そう。セスト君の親御さんは放任主義だから基本好き勝手出来るんだ、君にはピッタリだと思うよ」
「放任ってか、自分のことは自分でやれってだけなんだけどな……」
イヴァルを言葉に小さくセストはそう呟いた。
それを見て、一息吐く六。
「んじゃ、俺はもう行くわな」
「え、おっさんもう行くのか?」
「蒼姫さんには会ったんですか?」
「おぉ、元気に大根食ってたよ。それに今日中に出ないと商談に遅れるんだわ」
そう言って、六はアンリの頭を乱暴に撫でた。
それに対して、不満を顔に表したアンリ。六の手を払う。
「何すんのよ、触るなおっさんが」
「せいぜい早死にしないことだな、まっこのギルドは面白い奴ばかりだから退屈はしないだろ」
「………ま、感謝はしとくわ。ありがとう」
アンリがあっさり言うと、げ!となる六
「……………ま、一応なんかあったらイヴァル通して知らせてくれや」
「ん?照れてるのかい六?」
「あらやだ、この幼女趣味」
「黙れ!!」
ケラケラと笑う。
ギルドでの生活は、始まったばかりだった。




