盗賊って大体単細胞
六が顔を出した草むらから、三人も親を真似する子供の如く顔を出した。
視界の先には、酒盛りの真っ最中の盗賊達。
「ひぃふぅみぃ……30人か、意外に多いな」
「数だけ揃えば良いって事なのかしら?随分と単細胞な脳の作りをしてるのね盗賊って」
「だろーな。しかも殆ど全員職持ちだ」
六の言葉にアンリが首を傾げていると、隣にいたアストリッドが説明してくれた。
六の固有能力である《検索》は、人に使われた道具限定でその道具の使用履歴が分かるらしい。
「大体の奴の武器が職専用武器だ。[盗賊]に[弓士]、[銃士]って所だな」
「流石おっさん、歳食ってるな!」
「セスト、次その言葉言ったら八つ裂きにするから覚えとけ」
そう言って、六は前方から視界を外して三人を見た。
近くにあった枝を拾い、地面に何か書き始める。
「俺と嬢ちゃんが正面、二人が裏手から行く……否待て」
「何だよおっさん、行ねぇのかよ、てか何でおっさんが仕切ってるんだよ」
「やっぱ今のなし、面倒だから正面から行くか」
「何なんだよ結局!!時間の無駄だろ!!この髭面!!」
「てめっ!!人が気にしてることを!!」
「………一言良いかしら?」
ふとアンリが挙手をして、草むらの方を指示した。
「盗賊の方達、こっち見てるわよ?」
「「…………………」」
顔を互いに見合わせ、草むらから顔を出す二人。
その背中を、アンリはドン!!と押し出した。
前のめりになり、ほぼ同時に音を盛大に立てて倒れる二人。
「「がおっ!?」」
「嘘に決まってるでしょ。さっさと倒してきなさいよ」
「てめっ、アンリ!」
「………おい」
今度こそ、二人は前を見た。
盗賊達の視線が集まってるのを感じて、二人は溜息を吐いて立ち上がった。
こうなればやるしかない、今頃アンリは草むらの陰で笑っていることだろう、簡単に想像が出来た。
「クリスタから来たギルドの者なんだけどよ、おっさん達盗んだ物返してくれねぇか?」
「あ?ガキが何言ってやがるよ、帰っておねんねでもしてな」
「そう言わずによ、金さえ返してくれれば保健所には通報しねぇからさ」
「誰が豚だクソガキィ!!」
「そこまで言ってねぇよ!」
何故か反感を買ってしまい、武器を持って立ち上がる盗賊達。
それを見て二人も剣と投擲刃を構えて……後ろを見た。
「頑張って!見守ってあげるから!」
「アンリてめぇぇぇ!!つーかアストの奴どこ行った!?」
「さぁ?知らないわ」
アンリは嬉々としていらない応援をしていた。
応援は応援でも、戦う方の応援をしてもらいたいものだ。
「[弓士]部隊!後ろの女ごと狙え!!」
「!セスト前を見ろ!!」
「!」
前を見ると同時に、一斉に矢が放たれた……アンリの方へ
「……………あら?」




