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死亡フラグを回避しながら妹を育て始めました  作者: 音国 心
冒険者ギルド編
12/97

彼と彼女 side:セスト

セスト・ウイングスは自身でも平凡な人生を送っていると思っている。冒険者の時点で平凡かと問われれば首を傾げる所だが。

冒険者だった父の影響もありギルドに登録した。だが依頼は殆どこなさず、実家の宿屋の手伝いをしていたのだ。

その結果、遂にイヴァルから脅された。


「セスト君はさぁ、冒険者として働く気がないの?一ヶ月以内に依頼成功させないと……君の人形作って着せ替えごっこするよ?」


男子にとっては、一部の人間を除いて遠慮したい言葉だった。

そんなわけで、同じギルドで幼なじみの親友を誘い、依頼に行こうかと考えていた矢先に、アンリがやってきた。

これはイケる。実力を見てみて誘ってみよう。すぐさまそんな考えがセストの脳内に浮かび、六から共に逃走した訳だった。

だが、彼は目の前の光景に言葉が出なかった。


「首都からか、遠いんだな」

「えぇ、一時はどうなるかと思ったわ」

「…………………」


何故幼なじみとアンリは楽しそうに話しているのだろうか。

嫌な予感は薄々していた、あの幼なじみが初対面の人間とよく話していたからだ。

謂わずとして、セストは蚊帳の外。



アストリッドは基本的に唐変木と評されるような少年だ。

自分以外と余り話さないし、基本真面目だが馬鹿なことも一緒にやってきた仲だ。

だが親友よ、俺に教えてくれ。


ーお前、女子と仲良く話す奴だったか……!?

「セスト、どうした?」

「否、どうしたもこうしたも……俺はお前の変化に驚いてんだよ」

「あら、セス君はもしかして周りの環境に左右されやすいタイプ?そう言う人間って生き残れないから直した方が良いわよ」

「お前は明らかに俺のこと馬鹿にしてるな」


アンリを連れてこなければ良かった。セストは激しく後悔した。

何なのだ、そのいきなり取って付けたような渾名は。ネーミングセンスが無いにも程があるだろう。


「それはそうとセスト、俺と依頼を受けるんじゃないのか?」

「そういえばそんな事言ってたわね」

「!お、おぅ……」


急に本題に戻られても困惑するだけなのだが、言うしかない。


「お前と、出来たらアンリの奴を連れて盗賊退治の依頼受けたくってよ。お前どう思う?」

「俺は構わないが、アンリはどうするんだ?」

「うーん、役に立つなら良いわよ?」


何故上から目線なのだこの女は。

二人の同意……内一人は渋々だが、得た。後は行くだけだ。

と、そこでアストリッドが口を開いた。


「なんで盗賊退治なんだ?」

「ん?格好良さそうだったから」

「アンリ、こいつはこんな単純馬鹿だから気を付けろ」

「是非ともそうするわ」

「お前等……泣くぞ!」



この時、二人はアンリの《幸福刈りアンチハピネス》の力をまだ知らなかった。

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