11 旅は道連れ?⑧
封印は私の深層意識にある。
私は毎晩修行と封印が解けていないかを確認する為に、深層意識にもぐっていたからすんなり行える。
いつもと同じようにゆっくりと降りていく。
どこまでもどこまでも降りて行くように思われるが、下に光る場所を見つけた。
ゆっくりと足をつけ、姿勢をただすと私を囲むように扉が現れた。それぞれ色が異なる扉が6つ。
そのうち緑の扉の南京錠が壊れていた。ぐるりと扉を見回し、茶色の扉を見つける。
茶色の扉のみ鍵が南京錠が掛かっていたが、それを手に取り、瞑想の為目を閉じた。
目を開くと、南京錠を持っていない方の手に茶色の鍵が出現していた。
鍵を開場すると南京錠は砂状にとけて消えてしまった。ただ扉を開けることはせず、そのまま深層意識より浮かび上がった。
意識を戻すとそろそろ競りも終盤のようだった。
「さあ!ほとんどの方が本日の目玉になります魔術師をお買い求めにいらっしゃったと思います。
大変長らくお待たせいたしました。本日は男1名、女1名の計2名をご用意しております。男は火を、女は風を扱うことが出来ます。
お客様を満足させること確実です。さあ!それではご覧にいれましょう!!!!!!」
ガマガエルが意気揚々と紹介すると、私とゼスの周りにいた男達が鎖を引っ張り、私達を壇上に連れ出した。
「本当に魔術が使えるのかしら?」
「どのくらい持つものかねぇ」
「あんな貧相な娘を連れて歩くのは嫌だなぁ。男の方が使い道が多いだろ。それなら男を買うか」
「小娘だったら私でも扱いやすいんじゃないかしら。所詮魔術なんて面白ければいいのよ」
色々な声が聞こえてくるが、そんなことは私の知ったことじゃない。
それよりもいかに自然に蔦を動かすか・・・・・。
どんどん競りの値段が上がるにつれ、場内は熱気と興奮に飲まれていった。
私はそんな場内とは反対に気分はどんどん下降していった。
ここにいる人達の人を人とも扱わない様子に過去を刺激される。感情のままに動いて後で後悔するのは自分だと分かっているが、この人達はどうなろうと関係ない。
・・・・もー、やっちゃおうかなぁ。いいかなぁ。いいよなぁーーーー。
『攻撃は最大の防御』っていうしな〜〜〜〜。
とかつらつら考えながら、周囲を観察し、タイミングを測る。
「さぁ、他にいらっしゃいませんか?他にいらっしゃらなければ・・・・」
という競りの決着がつく時を見計らって私は動こうと・・・・・した。
どっっっっかあーーーーーーーーーん!!!!!!!!
突如大きな音がしたかと思うと、壁に大きな穴が開いていた。
あれ?私動いて無いぞ??ま・さ・か暴走しちゃったのかぁ、私!?(汗)