「❤️彼女の姉」彼女の二十歳の誕生日、帰らない恋人を待つぼくの前に現れたのは、スナック勤め帰りの奔放な彼女の姉だった。冬の嵐が窓を叩く夜、コタツという狭い密室で絡み合う手足
三部作の最初の前日譚です。続きは、「彼女の妹 彼女の親友」です。
良い子の、「彼女の妹」もどうぞ!
短編「彼女の姉」(R-15版)、https://ncode.syosetu.com/n7942lw/
連載「彼女の妹 彼女の親友」(ノクターンノベルス)、https://novel18.syosetu.com/n1466lw/
連載「彼女の妹」(R-15版)、https://ncode.syosetu.com/n7952lw/
御茶ノ水駅近くの大学に通うぼく、佐藤悠真は、使い慣れた合鍵で彼女の部屋のドアを開けた。
今日は彼女――高橋彩花の二十歳の誕生日。理学部の化学科で実験に追われる彼女を労おうと、ぼくは奮発して牛丼の特盛と、彼女の好物であるコンビニのおでんをたっぷり買い込んできたのだ。
「彩花、ただいま。……って、まだか」
部屋は静まり返っていた。時計の針は午後九時を回っている。ぼくは買ってきた牛丼をテーブルに置き、スマホを取り出した。
『駅に着いたよ。おでん温めて待ってるね』
LINEを送るが、既読がつかない。一時間経ち、二時間経っても、画面には「既読」の二文字が現れなかった。痺れを切らして直接電話をかけてみる。
『おかけになった電話は、電波の届かない場所にあるか、電源が入っていないため……』
無機質なアナウンスが耳に刺さる。通話圏外? 地下の実験室にでも籠もっているのだろうか。結局、ぼくは冷めきった牛丼を一人で食べ、カピカピになったおでんを鍋で温め直した。
彩花の帰りを待ちながらコタツでまどろんでいたぼくが、玄関の激しい音で目を覚ましたのは、深夜零時のことだった。
「彩花ぁ、いるのぉ~?……。あー、もう、最悪だったんだから……」
入ってきたのは、彩花ではなかった。
大卒後の就職に失敗し、今はスナックで働きながらダメンズと縁が切れない、自他共に認める「問題児」の姉だ。
スナック帰りなのだろう。身体のラインを露骨に強調するラメ入りのタイトなミニスカートに、深いVネックの黒いカットソー、ニーハイ黒のストッキング。彼女は玄関でよろけると、ブーツを脱ぐために無防備に腰を屈めた。
(……っ!)
彼女は玄関でよろけると、ブーツを脱ぐためにふらふらと屈んだ。その拍子に短いスカートがずり上がり、白い太腿の付け根に食い込む真っ赤なレースの下着がぼくの視界を強烈に射抜いた。ぼくには、刺激が強すぎる毒だ。
慌てて目を逸らすが、ニーハイのストッキングに包まれた肉感的な脚の残像が脳裏に焼き付いて離れない。
「……あれ? 悠真くんじゃん。彩花は?」
「美咲さん。彩花なら、まだ帰ってこなくて。連絡もつかないんです」
「ふーん。あの子、一回集中すると周りが見えなくなるからねぇ。……それより、寒い。凍え死ぬ」
美咲さんはコートを脱ぎ散らかすと、ぼくの正面の席ではなく、わざわざぼくのすぐ隣に座ろうとコタツに潜り込んできた。
タイトなスカートがさらに捲り上がるのも構わず、彼女は「よっこいしょ」と膝をついて這うようにして入ってくる。突き出されたお尻と、その奥に見え隠れする赤。目のやり場に困り、ぼくは反射的に視線を逸らした。
「悠真くん、コタツのお布団に手を入れてみてよ」
潜り込み終わると、彼女はぼくの顔を覗き込み、挑発するように言った。ぼくが戸惑いながらもコタツの中に手を伸ばすと、美咲さんはぼくの両手を挟み込むようにしてギュッと握ってきた。
「ほぉら、私の手、冷たいでしょう?外、寒かったんだからね!店まで迎えに来てって言ったのに、パチンコ屋から動こうとしない、あのあんちくしょう……。ねえ、悠真くん、ひどいと思わない?」
愚痴の相手は、彼女が今入れ込んでいる男だろう。美咲さんは愚痴をこぼしながら、コタツの中でじりじりと距離を詰めてくる。
ぼくは困惑した。美咲さんの手は確かに氷のように冷たかったが、その肌質は驚くほどプニプニとしていて柔らかい。
彼女は横座りになり、ぼくの足の間に自分の脚を割り込ませてきた。ニーハイのストッキング越しに伝わる脚のラインが、ぼくの右腿を圧迫する。
(真面目で可愛がられる妹の、これまた真面目そうな彼氏……。彩花にはもったいないくらい。ちょっとくらい、つまみ食いしちゃってもバチは当たらないわよね?)
そんな歪んだ独占欲が、彼女の瞳を妖しく光らせる。
「……美咲さん、近すぎますって」
ぼくは必死に身を引こうとしたが、コタツの中では逃げ場がない。美咲さんはさらに身体を傾け、ぼくの肩に自分の胸を押し当てるようにしてきた
「飲まなきゃやってらんないわよ。妹は真面目に大学行って、悠真くんみたいな優しい彼氏がいてさ……。私なんて、いつまでこんな生活続けるんだろ」
ぼくは必死に理性を保とうとした。彼女は彩花の姉だ。こんなことをしてはいけない。ダメだ、ダメだ……そう自分に言い聞かせるが、コタツの中の現実はぼくを裏切る。彼女の吐息には甘いアルコールと香水が混じり、ぼくの思考を麻痺させていく。
美咲の内面では、ある種の歪んだいたずら心が燃え上がっていた。
(あーあ、彩花の彼氏、やっぱり可愛い。こんなにガチガチに緊張しちゃって……。妹には内緒で、ちょっと壊しちゃおうかな)
真面目な妹に対する劣等感。
美咲さんはコタツの中で横座りになり、彼女の左膝がぼくの右腿にぴたりと押し当てられる。美咲さんのニーハイのストッキングの脚が、ぼくの裸足の足首に絡みついてきた。
スベスベのナイロンの質感と、その奥にある柔らかな肉の弾力。美咲さんの裸足の指先が、ぼくの足の甲を愛撫するように這っていた。ザラリとしたニーハイのストッキングの質感が、ぼくの皮膚を刺激する。
(ダメだ……。これは彩花の姉貴なんだ。ここで流されたら、彩花に合わせる顔がない……!)
必死に理性を繋ぎ止めるぼくの股間に、美咲さんの左手が滑り込んできた。
「ん……?」
美咲さんがいたずらっぽく微笑み、コタツの中で左手をぼくの股間へと滑り込ませた。
「……っ、美咲さん!やめ、て……」
言葉とは裏腹に、身体は熱く拍動し、スラックスを押し上げていく。彼女の指先が、その膨らみを確かな力でギュッと握りしめた。プニプニとした掌の柔らかさ。
「……!」
「エヘヘェ~!悠真くん、口ではダメって言いながら、ここ、こんなに熱くなって暴れてるよ?」
美咲さんはニタァと微笑み、ウインクをした。
その時、夜空を引き裂くような激しい落雷の音が響いた。
バリバリバリッ!!
「ひゃああっ! 怖いっ!」
美咲さんが怯えたふりをして、ぼくの首にしがみついてくる。
深いVネックから溢れんばかりの胸がぼくの胸板に密着し、彼女の鼓動がダイレクトに伝わってくる。
「……悠真くん、離さないで……」
もう、限界だった。彩花を待つ孤独感と、目の前の圧倒的な肉体の誘惑。ぼくの理性という物理法則は、完全に崩壊した。
「美咲さん、ダメですよ……彩花がいつ帰ってくるか……」
「あれ?帰ってこなければ、こういうことをしても良いということ?」
「……」
「いいじゃない。あの子、今夜は帰ってこないわよ。ねえ……私を暖めてよ、悠真くん」
「美咲さん……もう、知らないですよ……」
ぼくは抗うのをやめた。
指が湿った場所に触れた。「アンっ」と声を上げる美咲さん。反射的にぼくの膨らみを握りしめられる。彼女はぼくの右手を掴んで、もっとレースの奥にと誘導する。人差し指と中指でアソコを下から上にすりあげる。顎を上げて仰け反る美咲さんの身体がガクンとした。
彼女が顔を寄せてきて、首を傾ける。ぼくも合わせて唇を合わせた。ナメクジの雌と雄のように絡み合う舌と舌。彼女の甘いアルコール味の唾液がぼくの口の中に。
彼女の腰を強く引き寄せた。
コタツの中では、二人の足が複雑に絡み合い、互いの体温を貪り合う。彼女のスカートの中に手を入れ、指先が真っ赤なレースを横にずらした瞬間、
ぼくは完全に一線を越えた。
外では冬の嵐が窓を叩き続けていたが、コタツの中の密室だけが、世界のすべてになった。
嵐が去り際を見せる頃、ぼくと美咲さんは、主役のいない誕生会の残骸に囲まれながら、コタツの脇で重なり合い、荒い息をついていた。
机の上には、結局誰にも食べられなかった、冷え切ったおでんの鍋だけが寂しく残されていた。
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
※飲酒喫煙シーンが書かれてあります。
※性描写を含みます。




