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プロローグ

 何をやってるんだろう。私は


 ポツリ、と彼女は呟いた

 目の前には赤く染った人体。右手には先端が赤色にコーティングされた短剣

 鉄錆の香りと無味無臭の罪悪感が彼女の鼻腔をくすぐる


 まぁ、構わないさ


 生きるためなのだから。


 せっかくだ


 ここで死ぬのは勿体ない。


 最後に聞いた言葉


「悪運、己に不幸が降り立ちやすくなる」


 だからなんだ、関係ない。



 〝やれる所までやってやる〟



 目標と言っていいのか分からない物を胸に、彼女は目の前に横たわるモノを跨ぎ、その場を後にした。

 恐らく、いや確実に、最後のあの言葉は本当なのだろう。最初のアレは悪運と言っていいのか分からない。ただ、世間一般的には悪運なのだろう。


 拝啓、死と言う名のバディ。

 私は不変、君は流転。君が追いつけば、私は風のようにそれを躱す。喰らいつこうと牙を向けたらそれを正面から打ち砕く。君が果てるか、私が尽きるか。私の人生をかけた円舞曲は始まったばかりだ

 敬具 シオリ

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