第三夜 水色しましまパンツ(前編)
お母さんの親戚の集まりで東京から遠く仙台まで新幹線でやってきた。
小学校低学年まで、近所に住んでいた従姉妹のお姉さん、下田敦子ちゃんが駅まで迎えに来てくれる事になっている。
二歳年上で、現在中学二年。僕は小学六年生だ。
お父さんは仕事の都合で同行してなく、母方の用事なのに母も所用の為、一緒に来れなかった。明日新幹線で追っかけてくる予定だそう。
なので一人で仙台駅で新幹線を下り、西口のペデストリアンデッキまで出てきた。
――四年ぶりの再会、いい匂いしそう
いた! アツコ姉だ。 懐かしい……四年ぶりだ。
髪も長く、腰まであってツヤツヤに光っている。短いスカートに、ブラウスを巻き付けてかっこいい。
ギャル? アツコ姉ギャルになったの? でも髪は綺麗な黒髪のままだ。
そんなとこはアツコ姉らしいや。なんだかいい匂いしそう。
「あっ、つぐくーん! つぐくんだよねー?」
手を振りながらギャルが走り寄ってきた。周りの目が気になる。ちょっと恥ずかしいや。
「あ、アツコ姉! 久しぶりー、なんだか大人っぽい!」
最後にあったのがアツコ姉が小学四年生の時だもんな、そりゃ見違える。
「えへへ、制服かわいいでしょう」
髪の毛をガシガシと擦って髪を乱してきた。
「うわっ、ちょっとやめてよう」
人の頭を擦るクセ、変わってないなあ。
相変わらずアツコ姉は、距離感が近い。
小さい頃のアツコ姉は、アメや、お菓子の甘い匂いばかりさせていたが、今は、なんだか別の甘い匂いがする。
いい匂い。
シャンプーの匂いかな、ちょっと僕は強い匂いであまり好きじゃない。
でも、なんか胸のあたりからなんともいえないあったかい感じのする甘い匂いがする。
これはなんだろう、香水なのかな? 大人の女の人って感じだなあ。
アツコ姉――
――|未知との遭遇《closed encounters》
仙石線で、途中の本塩釜駅で、叔父と合流して、松島駅まできた。だいたい一時間弱……。駅まで迎えに来てくれていた叔母が運転してアツコ姉の家まで連れってくれた。
「つぐくん、久しぶりねー、おっきくなったっちゃねえ」
「いえいえ、まだあんまり変わってないですよ。あっ、これお土産のお菓子です。みんなで食べてください」
そう言って仙台名物「萩の月」を差し出すと、アツコ姉が突っ込んできた。
「えぇー、それもう食べ飽きてるぅ、どうして東京の人が『萩の月』を買ってくるの? 普通ここは『ホームラン王』か、『銘菓アレ』でしょう」
「んだごといって、真っ先に食い散らかすの、アツコでねが」
「ほらー! アツコ姉は、昔から『萩の月』が好きだったもんね!」
ちょっと誇らしげに、アツコ姉に言ってやった。
「ほしたら、うちらちょっと買い物さいでくるで、二人で遊んでてな」
そういうと叔父と叔母が車で買い物に行ってしまった。今夜の親戚の集まりに振る舞う料理の材料でも買いに行くのだろう。
家の真ん中の大きな座敷、十畳はあるだろうか。真ん中におおきなテーブルが1つあるだけで、部屋の隅にTVがある以外に何も無い。エアコンがないので扇風機が暑い空気を弱い風で軽くかき混ぜていた。暑いな。
と、その時……
「……!」
アツコ姉が、扇風機の前で、短いスカートの前を上げて、股間に風を当てていた。
「あ”あ”あ”あ”ーー気持ちいい……」
「ちょっ、アツコ姉、パンツ見えてる、見えてるよ」
「あれー、つぐくんどうしたのかなー、顔が赤いぞぉ? 昔はスカートめくってパンツよく見てたよね?」
「うっ、あの時は小さかったから……いちごのパンツが面白くて、見たくて……」
小さい頃に見ていたいちごパンツは、なんていうか、おむつ? みたいな感じで、もわもわっとしてたけど、今のアツコ姉のパンツは、なんだかピチッと肌に張り付いているみたいで、なんか股間の丸みや、足の付け根の部分の凹みが見えてまるで裸みたいで……。それになんだか水色と白のしましまがなんだか身体のラインにそってカーブを描いているのがまた、生々しいというか。
「ふぅーん、そうなんだ、じゃあいまは見たくないの? ほれほれ」
扇風機の前で、スカートをまくったまま、腰を左右に振って挑発してきた。
「よ、よせやい」
照れていると、ますますアツコ姉の調子が上がって、今度は反対を向いてお尻を突き出して、パンツを見せてきた。
「はぁぁぁー? や、やめてよもう。恥ずかしいなあ」
なんだか子どもが見てはいけないもののような気がしているのだけれど、どうしても目がいってしまう。水色と白のしましまが目に焼き付いてしまったようだ。お尻……でかいなあ。
―― 中編に つづく ――
今回は、長くなってしまいましたので、前後編にわけてみました。
もう少し短くまとめるつもりだったのですが、ここで1つ焦らしプレイといきましょうか。
ふふふ。
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