第14話 終わりの予感
(なんで....!なんでこんなことに!)
私は走っていた。
なぜ走っているかと聞かれたらその答えは簡単。
犯罪者が近くに現れたからである。
「ハッ、ハッ!」
私は息を切らして走った。
後ろではエリート学校の生徒たち、そして犯罪抑制委員の人たちが戦っている。
犯罪者1人に。
私はただひたすらに走った。
走ることしか出来なかった。
(あれ?)
「ここ....どこ?」
私は迷子になってしまった。
スマホは落とした衝撃で壊れてしまった。
(どうしよう....)
その時だった。
ドチャ
私の背後で音がした。
その大きい音は近づいてくる。
(死ぬ!!)
私はまた走り出した。
私がいることに気づいたのか音が鳴る頻度が高くなった。
しばらく走ると音はしなくなった。
「ハァ....!ハァ.....!」
(逃げ切った?)
ドォン!
犯罪者が壁を突き破ってきて私の前に現れた。
(終わった.....)
私は思わず膝を地面についた。
犯罪者はニタニタ笑いながら近づいて来る。
(私....こんな気色悪いやつに連れ去られて...)
(体を弄ばれて....死ぬのかな.....)
(いやだ....まだ....死にたくない!)
私は最後の悪あがきをした。
「誰か!!!助けてーー!!!!!」
「......!!」
犯罪者は少し驚いていたがすぐに余裕を取り戻す。
だって、誰も来てはくれないのだから。
(やっぱり....ダメ、か.....)
私は眼を閉じた。
ドォン!
私の目の前で大きな音が鳴った。
(なに....?)
私は恐る恐る眼を開けた。
するとそこにいたのは....
「悪い。遅れた。」
「仙!」
「無事そうだな。」
「これを。」
仙はそういうと一台のスマホをポケットから取り出した。
「これで迷わず避難所に行けるはずだ。」
「.....ありがとう!」
「でも、仙はどうするの?」
「.....時間を稼ぐ。」
「!!」
「そんなのダメだよ...!仙が死んじゃう!」
「大丈夫だ。必ず戻って来る。」
「だから行け。」
「でも....」
「良いから行け!」
「.....約束だよ?」
「ああ。任せろ。」
そういうと結衣は走って行った。
「女を逃すか....」
「文句でもあるのか?」
「お前は女たらしだな。」
「.......」
「お前みたいな奴はいつも女を優先する。」
「男は見捨てて女ばかりを優先する。」
「何が言いたい。」
「お前はクズだ。」
「女ばかり攫っているお前には言われたくない。」
「......」
「そもそもだが、俺は女たらしじゃない。」
「俺はただ友達を助けただけだ。」
「友達?」
「そうだ。」
「そんなことも考えられず偏見や決めつけして他人を見下す。
「お前の方がクズだろ。」
「.....黙れ。」
「俺はクズじゃない。」
「俺をこんな方に育てた周りが悪いんだ!」
(人のせいか....)
「殺してやる....!!」
俺は無言で刀を構える。
俺はこの戦いに勝つ事が出来ないと知っておきながら.....