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微かに感じた違和感はそのままに(4)

予約投稿日付間違えてました!アクセス数が少ないなーって思ったら_:(´ཀ`」 ∠):

19時の分は普通にあがります(´;ω;`)

「……でも、もう少し早く助けに来てくださっても良かったのに。何度も呪文を唱えてお呼びしたのですよ」


 それでも少々不満は残る。助けられないにしろ、何かしらメッセージを送るとか……。

 

「あれでも急いだんだよ。ジェニーは何度か呪文を唱えてくれたけど、あれでは条件が足らなかったから」

「まさか! 私はしっかり禁書を最後まで解読して……」


 そこまで口にしてハッとする。そういえば数ページ破れてしまったような形跡があった事を思い出したからだ。


「私を呼ぶ場合必要なのは呪文と術者の血液、それに私の力の欠片。神ごとにその条件は違うが、基本的に呪文1回に対して1回っきりの逢瀬だ。無理矢理にでも神の空間に引きずり込まなければ、もう一度呼ばれるまでは神の側が望んだとしても会えない。だから神に気に入られた人間は突然に消えるのだ」


 つまり私は偶然条件を達成できただけだったのか。民衆の投げた石が当たり怪我をしていなければ、魔物の攻撃で出血していなければ、私は……少なくともこの場にはいない。

 

「神は気に入った人間を、願いを叶える対価として大抵連れて帰る。私がジェニーにしたように。……700年前は、連れ去らなかった事を後悔したんだ」


 クロノス様はそう言い終わると、つい先程まで私の頭を撫でていたその手を後ろから私の肩に回し、抱きしめるようにしてベッドの上に引き倒した。頬に軽く口付けて、舌でそこを舐め上げられる久しぶりの感覚に体が跳ねる。以前一緒にこの家で暮らしていた頃にされていた行為を思い出し危機感を覚え、クロノス様の胸の中から這い出ようと必死で体を捻った。

 

「待ってください! ちょっと、クロノス様!?」

「ジェニー……やはり私の事は嫌いになったのか? 余りにも申し訳なくて、禁忌に触れるラインギリギリで差し入れたアーモンドだって食べてくれなかったし……」


 やはりあれはクロノス様の仕業だったのか、なんて悠長な事を考えている暇は無い。

 

「ち、違います! あの時は色々と警戒していて」

「悲しい。ずっと我慢して、念願の再会が叶ったというのに、ジェニーは逃げてばかりだ。何故逃げようとする?」


 クロノス様からすれば、お互いにすれ違いだったという事も判明し、自らの後ろめたい事も許され「これでハッピーエンド。今後はまた以前と同じように暮らそう」程度の認識かもしれませんが。

 ……私は違う。その一番大きな原因は――

 

「だって私まだ5歳で……クロノス様のお相手をするには年齢が足らないのです!」


 人間の年齢の概念を理解してください! と訴える私を唖然とした顔で見つめたクロノス様は、ゆっくりと体を起こし私を解放した。


「成程。ジェニーは私の事を幼児にも手を出す男だと思ったのだな?」

「……何か違いますか? 流石に、ある程度大人になるまで待っていただかないと困りますわ」


いつも読んでくださる皆様ありがとうございます(*´꒳`*)♡

閲覧数と評価を励みに、糖度高めハッピーエンドを目指し日々執筆頑張ります(๑˃̵ᴗ˂̵)♪

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