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5.訓練だ

「この作戦には、本来ならば4~5人のパーティーを組んで挑むのが理想だ。罠を仕掛ける人物もそうだが、魔物を引き付ける役も必要でな。使う魔法のレベルはそんなに高くないが、なんにしても、人が少なすぎる。だからな…」


だから、もっと人を集めたい。しかし、お生憎様、この辺を通る冒険者など数が知れている。それに、予算も少なく、たまたま通りかかって請け負ってくれると言ってくれたとしても、高ランクの冒険者に仕事は頼めない。だから…


「…しっ支部長、目が…怖いですよ……?」

「ま、まさか………。」

「お前らって………魔法、使えるよな?」


「「ひいいっ!!!」」


「ええ、今でも覚えています。支部長は、恐ろしいほど目が輝いていました。」(後のミヨ談)



「そう、その調子だ。大きな“玉“を作ることをイメージしろ。」

「…………………よいしょっと、あっと……なかなか慣れませんね…。」

「おお、ホントだ。キレイな玉になってきた。」


どうやら二人とも、魔法適性はちゃんとあるようだ。俺が現役だったときは、職員採用の条件として、最低限一つの属性で中級魔法を扱えることが示されていた。しかし、ここ数十年の働き方改革やらなんやらで、その規制も随分と緩いものになった。みた感じ、二人ともまだ十代後半から二十代前半といった感じなので、魔法適性がもしかしたらないかもしれないと思っていたが…。ミヨの方は色々と伸び代があるようだが、スバルは、詠唱に少し手間取るが、走りながらでも、何発か弱い魔法が打てるようになった。これなら、誘き寄せの人員(えさ)にピッタリだろう。


「二人とも、短い間によくここまで扱えるようになったなぁ。」

「短いって………………二日経ってますけどぉぉぉぉ!!!??」


スバルが、悲鳴のような雄叫びをあげる。うん。まだまだ元気なようだ。


「すいません、少し休んでもいいですか?」

「ダメだ……と言うと思うか?」

「ふふっ…。」


ミヨは、少しバテているようだ。スバルは、鑑定士であり、魔法を扱うことが多い。それに比べてミヨは受付を担当するのみであり、直接自らの手を下すことはないから、魔法を扱わなくて良かったのだろう。


「しかし支部長………スバルくんはともかく、私の力までもここまで引き出せるなんて………一体どんな経験をしてきたんですか…?」

「どんな経験といわれてもなぁ………。俺はただ単に、冒険者として色々な依頼を受けてきただけだぞ?」


それ以外に何とも言いようがないのだが…。


「ははっ…………規格外………ですねっ…。」

「むぅ………普通だと思うのだがな。」


そういえば、聞くことがあるのだっだ。


「ミヨ。ギルドの近くの村に、誰一人も居なかったのだが、皆どこへ行ったか知っているか?」


一つ間を置き、驚いた返事が返ってくる。


「村って………ああ、“オアシス・ユーグ”のことですか?」

「“オアシス・ユーグ”? ………ユーグ村という名前じゃなかったのか?」

「村……という名前ではありませんが、多分支部長が言っているところと、私が言いたいところは、同じ場所だと思いますが……。そういえば、支部長はここに来るのが初めてでしたね。」


正確に言えば二回目だが、当時はまだ砂漠化していなかったから、一応俺は“初めて”来たことになるのだろう。


「このユンクレアの周りを、“熱砂”……“熱死の砂漠”に囲まれていることは、支部長もご存じのことかと思います。数十年前は、この辺り一帯は砂漠どころか荒れ地すらない、緑豊かな土地だったらしいのですが…。」

「魔物が暴れはじめた途端、この辺一帯の川が枯れてしまい……このような状況になってしまったんです。」


練習休憩に入ったスバルが、そう付け加える。


「なるほどな。だから、ユーグ村に住んでいた人々は、それぞれ別のオアシスに移り住んだんだな……。」


だとすると、この作戦が成功すれば……。


「分かった、ありがとう。よし、今日の練習はここまでにしよう。」

「………よしっ!」

「? ……まだ最後の試験訓練が終わっていませんけど?」


静かに喜ぶミヨとは対照的に、スバルはまだまだ頑張れそうだ。だが、ここで無理をしてしまうと、作戦に支障が出てしまう。相手が、自然を変える位の魔力を持っている可能性があるならば、ここで無駄に魔力を垂れ流すのはよろしくないだろう。それに、()()もそろそろ到着するころだ。


「……いや、今日の練習はここまでだ。今日の夜を使って、作戦を詳しく説明したい。それに、お前らの魔力は充分高まった。」


もう実戦に出ても問題はないだろう。


「ということは………支部長?」

「ああ。作戦を始めよう。」

「………よしっ! ……絶対にやり遂げてやるわ!!」

「しかし、支部長。まだ冒険者の方が到着されていませんが?」

「おいおい。スバル。それにミヨ。あそこを見てみろ。」

「………………ん? あ…………あの人って…………!」


重装備を担いだ冒険者が歩いてくる影が、一人。


「…………よう、“聖なる(セイクリッド)魔術師(ウィザード)”。ご無沙汰してたか?」

「…………その呼ばれ方はあまり好きじゃありませんね。久しぶりですね、フーガ。」

「ご無沙汰だな、ロイン。元気してたか?」

「しっ支部長…………この人……いや……この方って…………!!」

「お、そうか。お前らは初めて会うのか。紹介しよう。俺が冒険者だったときの相方(パートナー)、ロイン・スヴェルトスだ。」


二人とも、口を開けたまま固まってしまった。

新キャラ、ロイン。この人が、今回の作戦の大きな要となります。もちろん、ユンクレア支部の二人もしっかりと活躍しますので、お楽しみに!!

本日もご覧いただき、ありがとうございました!!

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