23 2015年8月 23
「どう?」
「ああ……ギリギリセーフ? かな」
「まあ、何処までギリギリ狙うかが課題だったけど、けんたろーに迷惑かけてもな、っておもったら、なんか無難なとこに落ち着いちゃって、今思うと、どうかな? もうちょっと狙えばよかったかな」
薄っすらと微笑むリリィさんが俺の隣に座って、深く息を吸った。
俺を見つめ……
手を握って……
「……けんたろうー……
さっき、あなたの言った、家族になろうって言葉……
私……
本気にするよ……
いいの?……
私……この通り4年間たっても、ちゃんと約束を守る様な真面目な子だよ。だから……
いい加減な気持ちで言ったとしたら、私……
許さないよ……
そん時は……
ホントに永遠にお別れだよ……
私……
そういうところの冗談は通じないよ……
いいよね?」
「ああ、もちろんだよ……
君の気持に寄り添えてなかったね……
ゴメン。
俺は、君がずっと子供だと自分に言い聞かせてたんだ。
子供だから……
子供だから……
子供だから……
全部、そのせいにして、考えなくていいように……
いなくなっても、悲しまなくていいように、自分で予防線を……
違うね……
君の気持を本気にしない様に、踏み込まない様にしてきたんだ。
でも、やっぱり限界だ。
俺は、知っている。
自分の事なんだから、分かっている。
俺は君を……
リリィさんを愛している。
もう一度言うよ。
俺の家族になって欲しい。
永遠に別れの来ない家族を俺と作ろう……」




