19 2015年8月 19
「佐藤君……
やっぱり、あなたには、見つかっちゃうんだね。
そうだね。
佐藤君って、そんな人だったよね……
私の事なんか……
私のしそうな事なんか……
まるでお見通しだった……
だから、かな……
私、佐藤君が、私の事……
特別に想ってくれてるって、思ってた……
でも、それは私の思い込みで、只の勘違いだったんだ……
もっと、早く言ってほしかったな……
違うね……
ずっと言ってたもんね。
お前の事なんか眼中にないんだって。
ずっと言ってたもん。
それなのに、勝手に思い込んでたのは、私のほうだったんだものね。
私……
とんだ……
間抜けだね……
まるで、ストーカーじゃん……
そんな簡単な事、気が付かなくて、好きを押し付けて……
子供だったね……
子供だもん、佐藤君が本気で相手にする訳、無いよね。
さっきね。
花火の時の、佐藤君の15周年の花火で、確信したの。
佐藤君は、ちゃんと愛していれば、そうやって身体を求めるんだって……
そうやって愛しあえる人なんだって……
そうなんだよ、立派な大人だもんね。
私……前に佐藤君のお姉さんに言われたの。
佐藤君は成熟した男だって……
ああ、こういう事なんだって……
そういう事なんだって……
私はやっぱりお嬢ちゃんの好きの延長なんだって……
さっきの花火で、思ったの。
だから、佐藤君は子供の私を気遣って、身体も求めないし、彼女じゃないって、言ってるんだって……やっとつながったの。
鈍くてごめんなさい。
もっと早く、ここに来る前に気が付けば……良かった……私……何してんだろうね……こんなになって気が付くなんて……」




