11 2015年8月 11
彼女が、リリィさんが……
求めていたものは、俺との約束を果たすという事以上に、俺との生活を望んでいたのだとしたら……
俺の彼女への態度は……
彼女の想いを全く無視どころか、とりあいもせずに、ここに来たという事だけに満足して、彼女の望む未来について、一顧だにしない、そのアリアリの態度が、もうすでに子供じゃない彼女には……
裏切られた様に思えているんじゃ……
ないのか?
彼女は何しに来た?
ここに……
……俺と……
俺と一緒に……
一緒の未来を見ていたんじゃないのだろうか?……
俺との約束はその手段でしかなく……
それは、雅さんが言う様に、ゴールではなく……
スタートラインだったのでは……
少なくとも彼女にとっては……
スタートラインだったんじゃ無いのか?
だとしたら……
俺は……
俺にとっては5年前の子供の、只の子供の相手をする程度の、延長線だった俺には……
そんな思いだった俺では……
リリィさんの心に寄り添えていなかった……
という事だ。
……でも……
それは……
まだ、17歳の子供に対して……
違うな……
だから見失うんだ。
俺をまっすぐに見てくれる無垢な一人の女性として向き合ったら、それは……
間違いなく……
俺の態度は違ってくる。
それを彼女に……
向けなければ……
俺は……
俺は、多分、恐らく……
いや、絶対に……
後悔する。
俺を愛していると言った彼女は、きっとそのままの意味を俺に伝えたんだろう。
受けた俺は、子供の心だと、フィルターをかけていた。
問題なのは……
俺のほうだった……




