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6 2015年8月 6
「寮まで送ってくよ」
「……いい」
「危ないから……」
「一人で帰れるからいい……
子供じゃ無いし……」
すっかり、分かりやすく機嫌が悪いリリィさんは、花火が終わるまで、終わっても俺とは普通にお話できなくなってしまったらしい。
オーナーや雅さんとは和やかに会話してサヨナラの挨拶をしていたんだけど……
花火の件と雅さんにマジ説教された件の併せ技だろうな……
まいったな……
間が悪すぎだ。
「良いから、行くよ!」
向こうを見て俺を見ないリリィさんの右手を掴んで歩こうとしたら、
「いいって!」
俺の手を振りほどいて、その場で下を見て、
「もういい!!」
泣き出した……




