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凪の始まり  作者: 樹本 茂
2015年5月 凪の始まり(前編)
319/387

2 2015年5月 2

今日も俺は防波堤の先端に来ていた。


「けんたろー」


俺が防波堤の先端で釣り竿の先端を眺めているようで、虚空を見ていた時に背後から俺を呼ぶ懐かしい声が聞こえてきた。


「何よ?」


俺がその声の主に振り返り、少しきつめの視線を送ってやった。紛らわしいんだよ、その呼び方!


「まだ、待ってんの? いやー、純愛だね。それか忠犬だね」


おい、俺の純粋な心を汚すな。


雅さんがやってきた。


「どうなんだろうね……」


よっコラショといいながら、俺の隣に椅子もなく防波堤に胡坐をかいて座り、横顔を注視している。


俺は無視しているが。


「もう、何年になる? ケンちゃん」


「まる4年……

5年目……」


海面を見て答える。


「そうか……

そうだね、4年か。何かしら知らせてくれてもいいのにな……

いい女は、男を平気で待たせるんだねぇ」


少し煽り気味だ。ノってなどやるものか……


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