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35 別離11
俺は、リリィさんの言葉を信じて待っている。
あの、防波堤の先端で、待っている。
いつも、釣りをして待っている。
彼女が日本を旅立ったのは、もう一月も前だ、あの時、避難した子供たちは、おおかた戻ってきたようだ。それでも、3月の下旬の卒業式までに事態が収集される事は無く、その年の、卒業式は中止になった。卒業生代表の言葉を述べるはずだったリリィさんは一体どんな言葉を俺達に聞かせてくれるはずだったのだろう?
俺も、無事に六年生をやり終えたが、卒業式が無くなったことで、三月の下旬に卒業証書と卒業アルバムが郵送されてきて、俺の16年かかった小学生生活が終わりを迎えたんだと、実感できたぐらいだ。
終わりはあっけなかった。
誰が悪い訳でもなかったが、それはあまりにもあっけなく終わってしまった。
そして、そんな俺にも変化は訪れた。
少し前……




