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凪の始まり  作者: 樹本 茂
3月 卒業
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20 奪われた日常20

一つ気になる事がある。はんぺんちゃんは、リードを付けている。という事は、散歩中だったのだろう、そこを津波に襲われた。そして、はんぺんちゃんは、この神社の階段に取り付いた。それでは、このリードを持っていたはずの……美琴さんが店にいたとすれば、あの小男、美琴さんの使えないヒモはどこに消えた?


はんぺんちゃんを捨てて逃げた。


俺は……最悪の想定を除外した。

いくら何でもそんな事は考えたくなかったからだ。


恒常的な余震で揺れ続ける状態の中、また、一段とデカイ余震が襲ってきた。


「でかいな……」


俺は一人呟いたのだが、刹那、重量物の衝突する派手な音が背面から聞こえ、そこを見た時には、今まであった高さ5mくらいの石の鳥居が倒壊して、急峻な階段の下へと転がり落ちていくところだった。


「あぶねえな。こっちに来たら直撃だったぞ」


鳥居がこちらに転がっていたら、階段を上る途中だったら……

生死を分けるのなんて案外こんな事の積み重ねなんだなと俺は考えさせられた。


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