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22 何故?
俺も随分残酷なことを聞いたもんだ。こんな夜中に、ここに住んでいるはずも無いレイアさんが一人歩いている時点で察してあげるべきなのに、俺ははっきりと口に出してもらいたかったんだと思う。
……辞めたよ、って……
たまたま通りかかったんだ、って……
部屋がこのそばで、もうすぐ引っ越すんだ、って……
俺はバカだ。
俺は聞いてしまった。
「レイアさん……もしかして、まだ働いているんですか?」
「え?……」
一度会わせた目をまた逸らして、俯いた。
俺も随分残酷なことを聞いたもんだ。こんな夜中に、ここに住んでいるはずも無いレイアさんが一人歩いている時点で察してあげるべきなのに、俺ははっきりと口に出してもらいたかったんだと思う。
……辞めたよ、って……
たまたま通りかかったんだ、って……
部屋がこのそばで、もうすぐ引っ越すんだ、って……
俺はバカだ。
俺は聞いてしまった。
「レイアさん……もしかして、まだ働いているんですか?」
「え?……」
一度会わせた目をまた逸らして、俯いた。
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