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12 レイアさん6
「ああ、そのことですか……
そうですね。落ち着いたっていうか……
なんだろう……
そんなに人を好きになるのって凄い事なの?って、思いはしますね。そんなにも前後が分からなくなるほど、簡単に自分の家族を捨てられるの?って……
今は、それだけかな……
一時は、なんにも信用できない感じになったけど、そんな事言ってても、どんな事思ってても、結局は生きていくためには、どっかで誰かに助けてもらわないと、なんにもできない、子供だし。
実際に店長の様に全くの赤の他人をこうやって、面倒見てくれてる人もいる訳だから、それは……
人それぞれかな……
俺の両親がたまたま……
そんな人だったってだけで、それで世界全部を絶望する様な事だけはしない様に……
今は……
今は一生懸命生きています」
「そうか……
ちょっと安心した。健太郎って……
もっと、子供だと思ってたけど……
良かった、凄く安心できた」
グラスを持ちながら僕を見て微笑んでいる。
お姉さんっぽい包み込まれる様な優しい笑顔で僕を見ている。




