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10 レイアさん4
「健太郎って、この先どうする気なの? 風俗店の従業員ってわけにはいかないでしょう?」
「俺、店長みたくなりたいんです。だから、その、やめるとか考えた事はない---」
「店長はいずれオーナーになるんでしょう? それに、店長のとこはグループ全体でいったら、昼の仕事もしてる訳だからさ。
今のうちからしっかり考えておかないと駄目だよ。私なんかが言っても説得力無いだろうけど、でも、だから、余計にね、健太郎にはしっかり勉強して欲しいなって……」
いつもは明るくて、前向きな話ししかしないレイアさんがビールのコップを見つめて俯いている。
仕事帰りのレイアさんは部屋で綺麗さっぱり化粧も落として、妖艶な感じは無いけど、美人であることに変わりは無くて、眉毛はうっすらだけど……