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26 校長先生は……
とは言ったものの……
そこは、世間を知っている俺だ。とりあえずは満島校長先生にだけは話を通して、いざという時の為に、問題になった時の為の助け舟を依頼しようと思ったのだが
……いなかった。
「何だね?」
校長室の満島先生の校長の机に座っていたのは教頭先生だった。神経質そうな表情で細い身体を俺に正対させ、一番奥の木製の机に、椅子に座り大きな窓ガラスを背にして、俺を一睨みするとそんな事を言ってきた。
「校長先生は?」
「ああ、満島先生ならお休みだよ。それがどうしたかな?」
口元に笑みを称え、いやらしく笑う教頭先生に俺は、
「いえ……失礼しました」
そう言って、ドアを閉めた。




