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凪の始まり  作者: 樹本 茂
11月 質の悪い奴ら
175/387

16 タチの悪い奴6

「相川君、もしかして三角定規なくなってない?」


「何で知ってるの? 佐藤さん」


相川君は優しくて誰にでも笑顔で話す温和な子でクラスメートの中でも友人は多い。


「ああ~、え~っと」


聞いた俺が馬鹿だった、俺が知っているのは真犯人の名前だ、まずいよな、いくら何でも……

俺が視線を外して答えに困っていると、


「結城さん……だよね」


囁くように、俺に相川君は言ってきた。


「佐藤さん、ちょっと良い?」


相川君は廊下に出て俺を待っている。

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