表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
凪の始まり  作者: 樹本 茂
10月 けんたろーの旅路
133/387

4 うっせえな2

リリィさんは人気がある。明るくて、お姉さんみたくて、お人形さんみたいだから。当然、男子もほっとかない。遠巻きにリリィさんを見守るご学友や積極的に話しかけるご学友など様々だが、言える事はモテモテだ。


でも、気がかりなのは、結構、俺にベッタリなところだ。今もそうだが、恐らくこれから行く江の島あたりでも、同じになるだろう。俺からすれば嬉しいのだが、出来れば、同じお年頃のお友達ともう少し、仲良くした方が良いのではないだろうかと、少々、おせっかいとも知りながら、直接、本人に言ったことがあるのだが、


「だって、子供っぽくて話が合わないんだもん」


と、遠くを見ていっていた。


そりゃ、お前が一本突き抜けてんだよ。と、腹の中で呟いたが、なかなか彼女のお眼鏡にかなう男子は現れないらしい。


「ねえ? 今日の私見て何か思わない?」


あー、こんな子供のくせに、めんどくさい感じ……どう答えりゃいいんだよ。間違うと不機嫌にでもなるのか?


ちなみに、何とも思わない。


「なんだろう?」


「質問に質問で返すなや」


何処の言葉だよ。


「え~っと、……ほら! それ! ほんと、凄いね!!」


「何にでも当てはまる様なの……私に通用しないよ。もう、いい!!」


ほら、不機嫌になった。窓の方を見てこっちを見なくなるリリィさんの後頭部を見て、俺はため息をつく。


だれか変わってくれ、この席。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ